2007 Fiscal Year Annual Research Report
魚類エドワジェラ症原因菌GAPDHの抗原構造と免疫賦活能に関する研究
Project/Area Number |
17380117
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
川合 研兒 Kochi University, 農学部, 教授 (60127925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 俊一郎 高知大学, 大学院・黒潮圏海洋科学研究科, 准教授 (80325406)
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Keywords | rGAPDH / Edwardsiella tarda / 共通抗原 / 免疫賦活 / リコンビナント / アジュバント / 外膜タンパク質 |
Research Abstract |
海水魚・淡水魚に広く病原性を持つ細菌Edwardsiella tardaの外膜タンパク質として存在するglyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase(GAPDH)が、各種血清型のE.tardaのみでなく他の魚病細菌、ヒト・畜獣病原細菌、さらに他の病原微生物に対しても、感染防御性を示す可能性が示唆される。そこで、本研究では、大量生産が可能なリコンビナント生成したrGAPDHをワクチンとして用いた経口投与法の可能性、複数血清型のE.tardaや他の魚病細菌、細菌以外の病原体の感染に対するGAPDHの感染防御性、rGAPDHの特異的感染防御性と非特異的感染防御性、および免疫賦活能を検討した。 rGAPDHの免疫は、経口投与と注射投与により実施したが、経口投与では抗原量が十分でなかったためか十分な効果は得られなかった。しかし、注射投与により、マダイのウイルス病(イリドウイルス病)とブリの細菌病(類結節症)感染に対して、本タンパク質の免疫ならびに、免疫を増強する効果(免疫賦活生)が確認できた。なお、マウスでの感染防御実験は、ヒトやほ乳類への感染防除のための施設管理体制が十分でないと判断されたこと、また、サイトカインを使用した実験は、使用した実験魚の不良と再入手が時期的に困難であったために、実施を見送った。 本研究によって、血清型が異なるE.tardaに対して、共通抗原に基づく感染防御だけでなく、菌種が異なる病原細菌やウイルスに対し、共通抗原あるいは免疫賦活性(≒アジュバント作用)により、広汎な感染防御性を示すことが明らかになった。これにより、1種類の抗原の免疫によって多種類の感染症を防御する予防法開発の可能性が示された。
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