2006 Fiscal Year Annual Research Report
地盤水理のサイト・キャラクタリゼーションに関する開発研究
Project/Area Number |
17380141
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
森井 俊廣 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30231640)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 祐二 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (90188178)
島田 清 東京農工大学, 共生科学技術研究部, 教授 (20123234)
|
Keywords | 地盤水理 / サイト・キャラクタリゼーション / レーダー法 / 不飽和水分特性の逆推定法 / 土の透水性 / 土の保水性 / 地盤水理に対する植生の影響 |
Research Abstract |
研究の目的 降雨や浸透水に起因する地盤災害,あるいは地盤の地表汚染に適切に対処し防止するためには,地盤の水理特性(透水性と保水性)を迅速にかつ精度良く評価する必要がある。このためには,地盤の広がりと深さ方向をトータルにとらえたサイト・キャラクタリゼーションを実現したシステムの開発が不可欠である。本研究では,これまでに開発を進めてきた原位置透水試験法に,新しく,地盤の礫含有率の評価ができるボアホールレーダならびにボアホール透水計を組み合わせることにより,地盤水理のサイト・キャラクタリゼーション・システムを開発する。現地実証試験を含めた3年間の研究期間を設定した。 本年度(平成18年4月〜平成19年3月)の研究実績概要 (1)地中レーダー法のキャリブレーション・試行運用に関する検討 地盤中を伝播反射する電磁波伝播速度の測定データを分析する際,プロファイル測定画像から反射面の深度を定量的に評価するうえで,測定波の変状を区分するための視覚的な経験が必要となる。このようなデータ分析の技術習熟・蓄積も兼ねて,粒度が均質な砂丘砂地盤において,浅い地盤を対象としたCMP測定試験を実施し,レーダー法による地盤の物理状態の違い(今回の試験検討では水分分布量の違い)の検出性能を確認した。検討成果は「地中レーダーを用いた浅層地盤における土中水分量の原位置計測」として公表した。 (2)地盤の水理特牲の逆推定法に関する検討 当初予定の数値実験を進めて,現地実験を通して,原位置透水試験法をベースとした地盤水理特性の逆推定法の検討を行った。礫を含まない均質な浅い地盤に対して,十分に実用的な推定法を開発できた。これらの検討成果は,「地盤土の透水性を探るシンプルで測定が簡便な原位置試験法の利用」,「土中水分計測データを用いた簡便な原位置試験法による不飽和砂質土地盤の飽和・不飽和透水係数の測定」等として公表した。 (3)その他 今後の研究進展に備えて,特に斜面等の地盤水理に影響を持つと考えられる地盤表面の植生の影響を,長期計測に基づいて検討し,その成果を「植生斜面における地盤水分動態の計測調査」として公表した。
|
Research Products
(6 results)