2007 Fiscal Year Annual Research Report
植物の茎頂部温度調節による多種の花壇苗に対応するわい化剤代替技術の開発
Project/Area Number |
17380147
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
清水 浩 Ibaraki University, 農学部, 准教授 (50206207)
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Keywords | わい化剤 / 代替技術 / 植物 / 伸長成長率 / 環境調節 / 花壇苗 |
Research Abstract |
本年度は、日本における代表的な花壇苗であるフレンチマリーゴールド、バンジー、ビオラ、ペチュニア、ハボタン、ストック、キンギョソウ、ノースポール、ジニアを対象として、昨年度開発した画像計測システムを用いて、DIF環境下における下胚軸の伸長成長プロフィールを非接触連続計測した。計測時には子葉節に反射マーカー(約1×1mm)を添付し、撮影時にCCDカメラ上部に設置した赤外線LEDを2秒間だけ照射するとともに、レンズに赤外線フィルタを装着することで昼夜間とわず栽培用照明の影響を受けることなくほぼ同程度の濃度値の画像を取り込むことが可能となった。画像取り込みは10分間隔で約1週間実施した。取り込んだ画像は開発した画像解析プログラムを用いて、画像分解能の1/10レベルの精度で反射マーカーの位置を推定した。画像取り込み時の栽培環境条件は、いずれの植物でも日長12時間(06:00〜18:00)、光合成有効光量子密度(PPF)150μmol m-2 s-1とし、温度条件は3通りのDIF環境、すなわち、+10DIF(明期DT:25℃/暗期NT:15℃)、ODIF(20℃/20℃)、-10DIF(15℃/25℃)とした。 一日の伸長プロフィールは植物によって異なっており、ノースポールでは明期の中ほどである12時前後に顕著な伸長が見られたが、一方、ハボタンでは暗期のはじめに顕著な伸長が認められた。また、フレンチマリーゴールドやキンギョソウでは明暗期に特徴的な伸長パターンは観察されず、一日を通してほぼ一定の伸長率で成長することが明らかとなった。このように主として明期に伸長する植物と暗期に伸長する植物、さらにいずれでもない植物に大きく分類することが可能であるが、たとえば、同じ暗期に伸長するタイプに分類されるハボタンとストックでは、DIFに対する反応が異なることも明らかとなった。ハボタンはDIF値が増加すると伸長量も大きくなるが、一方、ストックはDIFには全く反応しなかった。このように明暗期およびDIFに対する花壇苗の反応が明らかとなり、環境調節によってわい化させるための基礎的な知見を得ることができた。
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Research Products
(6 results)