2006 Fiscal Year Annual Research Report
光環境およびガス環境調節による植物の有用成分含有量の制御
Project/Area Number |
17380150
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
後藤 英司 千葉大学, 園芸学部, 教授 (00186884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
彦坂 晶子 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (50345188)
石神 靖弘 千葉大学, 園芸学部, 助手 (50361415)
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Keywords | 光環境制御 / 光質 / 薬効成分 / 青色光 / セントジョーンズワート |
Research Abstract |
水耕栽培が可能で,温湿度およびCO2ガス濃度を制御できるグロースチャンバー内で,光質および光強度(光合成有効光量子束、PPF)を変化させて栽培試験を行った。対象はセントジョーンズワートとし、青色光蛍光ランプ(以下B)と赤色光蛍光ランプ(以下R)で栽培し,薬効成分(ヒペリシン,シュードヒペリシン,ヒペルフォリン)濃度をHPLCで分析した。また,成長,形態形成,光合成などの個体,器官レベルの生理反応について測定を行った。 R250(数字はPPF)の乾物重はW250およびB250のそれに比べて有意に大となった.R500の乾物重はB500のそれに比べて有意に大となり,W500と有意差がなかった.つまり,どちらの光強度においても,R区ではB区に比べて乾物重が大となった.R区の乾物重がB区に比べて大となったのは,R区で個葉の光合成能力が高いためではなく,展開葉数の増加という光形態形成により株あたりの受光量が増加したためであると考えられた. 葉の薬効成分濃度は,PPFが同じ場合,光質処理区間に有意差はなかった.また,光質が同じ場合,PPF250μmol m^<-2> s^<-1>の区の薬効成分濃度はPPF500μmol m^<-2> s^<-1>の区のそれに比べて有意に大となった.この理由として,強光下では生長が促進され,二次代謝物である薬効成分の濃度が小となったのではないかと考えられる. 薬効成分の生産を目的とする薬用植物の栽培では,株あたりの薬効成分量を高めることが重要である.そのため,薬効成分濃度のみが高ければよいのではなく,生長も大であることが望ましい.本試験においては,PPF250μmol m^<-2> s^<-1>の赤色光の条件が株あたりの薬効成分量を大とするのに適していることがわかった.以上より,光環境制御は高い薬効成分量を持つセントジョーンズワートの生産に重要な技術であることが示された.
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Research Products
(2 results)