Research Abstract |
ブロッコリースプラウトは,抗酸化物質および抗腫瘍活性を持つグルコシノレート類の供給源として注目されており,日本では一般的に胚軸が長く,軟らかいものが好まれる。また,他の作物では光質が生育や二次代謝物質含有量に影響を及ぼす例が多数報告されている。そこで本研究では光強度および生育,抗酸化能およびグルコシノレート含有量に及ぼす影響を調査した。供試材料は播種後3日間,白色蛍光ランプ(以下,W)で育成したブロッコリー(品種:ピクセル)とした。PPFを4水準,光源に赤,青およびUV-AのLED(以下,R,BおよびUV)およびWを組み合わせた5区を設けた。 胚軸長はBUVおよびB>R>BRおよびW区の順に有意に大となり,葉および胚軸の乾物率は,BUV,BおよびR区で有意に小となった。これらは,BUV,BおよびR区において胚軸が長く軟らかくなることを示している。個体あたりの抗酸化能は,播種後6日目以降はほとんど変化せず,BUV,BおよびW区で有意に大となった。よって,BUVおよびB区では同じPPFのW区と同等の抗酸化能を持ちながら,胚軸が長く,軟らかいスプラウトが得られることが明らかとなった。抗酸化能を高めるためには光強度を高めることが有効であるが,胚軸が短く,硬くなり商品価値が下がる。しかし,青色光または紫外線を混合した青色光で光強度を高めれば,外観の商品価値を損なうことなく抗酸化能が高いスプラウトを得られることが示唆された。
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