2006 Fiscal Year Annual Research Report
体脂肪蓄積調節機能を有する特異遺伝子群の探索と機能解析
Project/Area Number |
17380168
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
盧 尚建 信州大学, 農学部, 助教授 (90322130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 晋一 信州大学, 農学部, 教授 (00003682)
小野 珠乙 信州大学, 農学部, 教授 (10177264)
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Keywords | 脂肪組織 / ウシ / Adipogenin / GPR120 |
Research Abstract |
本研究では脂肪蓄積の部位局在化(FAT DEPOT)に関わる候補遺伝子を調べ、黒毛和種牛の肥育体質への影響を検討した。ウシにおける皮下および内臓脂肪組織の遺伝子発現プロファイルをDDRT-PCR法によって比較し、脂肪蓄積部位特異的遺伝子の同定を行った。本年度では、上記の候補遺伝子群の中から、特にGPCR120とAdipogenin遺伝子に注目し、アディポジェネシスにおける機能解析を行った。 (1)ウシの各組織においてGPR40とGPR120の遺伝子発現量は他の組織と比べ脂肪組織で高かった。また、GPR120遺伝子発現量は脈管間質細胞に比べ脂肪細胞で高いことが確認された。さらに、前駆脂肪細胞においては脂肪細胞の分化に伴いGPR40とGPR120ともに遺伝子発現量が増加した。今回ウシにおいて得られた結果は、マウスにおける発現パターンとは異なるものであり、非反芻動物と反芻動物において長鎖脂肪酸受容体を介する長鎖脂肪酸代謝機構が異なることが示唆された。解析の結果、GPCR120は、アディポジェネシスを調節する新規調節因子であることが明らかとなった。 (2)ウシ脂肪組織からAdipogeninの異性体を分離し、遺伝子発現を調べた。ウシAdipogenin異性体cDNAは塩基配列解析の結果、選択的スプライシングを受け、Adipogeninと比較して塩基配列が欠損していることが確認された。この異性体は脂肪細胞特異的に発現し、脂肪細胞分化過程においてその発現は上向き調節された。これはAdipogenin遺伝子の発現パターンと類似していた。Adipogenin遺伝子の異性体もまた、脂肪細胞分化・形成に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)