2005 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ子宮・胎盤細胞外マトリックスを用いた子宮内膜様構造体の再構築と機能解析
Project/Area Number |
17380172
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
橋爪 一善 岩手大学, 農学部, 教授 (10355737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木崎 景一郎 岩手大学, 農学部, 助教授 (40337994)
伊東 晃 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (70096684)
高橋 透 独立行政法人農業生物資源研究所, 発生分化研究グループ, チーム長 (20355738)
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Keywords | 細胞外マトリックス / 細胞構築体 / マイクロアレイ / 栄養膜細胞 / 共培養担体 |
Research Abstract |
本研究は、ウシの生体由来細胞外マトリックス(ECM)を出来るだけ生体内に近い状態で抽出し、着床現象を生体外で解析できるシステムを構築、ウシにおける着床誘導要因を明らかにすることを目的としている。 本年度は、1.生体由来ECMの抽出、利用法の検索、2.子宮胎盤ECM調節要因の検索、3.共培養下における栄養膜細胞系の特異分子の検索を行った。 生体内の条件を出来るだけ変化させることなくウシの子宮および胎盤からECMを高濃度NaCl溶液、2Murea溶液系で抽出した。組織量と抽出溶液の比率を検討し、urea溶液との比率が0.7以上2.3以下が適切と判断された。抽出液中のタンパク質濃度は3-10mg/mlであり、37℃で重合、固化したシート状の抽出ECM上でのウシ子宮内膜由来間質細胞の形状は市販培養皿上に播種した細胞とほぼ同様であったが、増殖性は著しく低下した。 子宮および胎盤中ECMの改変要因を検索するため、本年度は、ECM分解酵素マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の一種である膜結合型MMP誘導タンパク質(Emmprin)の子宮、胎盤での発現を検索した。ウシの発情周期から妊娠250日頃までを経時的に検証したところ、着床直後の胎子側胎盤絨毛叢に発現が始まり、妊娠中期および後期では胎子胎盤絨毛叢および母体側子宮小丘部位に発現を認めた。本結果は、ウシ胎盤が形成される部位にEmmprinが特異的に発現することを示している。 胎盤形成が始まる時期に発現する分子を生体外で検証するため、ウシ栄養旗細胞および間質細胞複合体の遺伝子発現を解析したところ、ウシ胚が着床する時期に特異的に発現するインターフェロンタウ、胎盤性ラクトジェン、Kunitz domain protein等の高発現を認めた。この生体外着床モデルの機能について遺伝子発現、細胞挙動、発現分子等を引き続き検証する。
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