2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17380174
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野寺 節 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90012781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 芳嗣 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00173922)
佐伯 圭一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (10311630)
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Keywords | プリオン / BSE / スクレイピー / 食の安全 / 遺伝子 |
Research Abstract |
プリオン病の発病には、プリオン蛋白のアミノ酸配列が病原体に対する感受性に関与する。この点は、ヒト及び、マウス、ヒツジのプリオン病に対して、特に著明である。最近、ドイツにおけるホルスタイン種において、プロモーター領域における塩基置換が、BSE感受性に対し影響するとの報告がなされている。しかしながら、どの塩基置換が重要であるかの詳細な研究はなされていない。 最近、日本においてBSEが発生して22例が報告されている。しかしながら、全てホルスタイン種であり、和牛である黒毛和種からは全く報告されていない。ホルスタインと黒毛和種は飼養方法が異なるとの説が有るが、証明は困難であり、我々は、むしろ、両種の遺伝的背景に差が無いかの観点よりプリオン遺伝子ゲノムのSNP解析を行った。 その結果、エクソン1の上流200塩基以内に様々なSNPが観察された。それは、-184A>G、-85T>G、-47C>A、-6C>T、及び+17>T、+43C>Tである。-184、-85以外はホルスタイン種では見られず、黒毛和種独特のものである。それらのクローンを、ルシフェラーゼ発現プラスミドに導入後、N2α細胞に導入し、48時間後にプロモーター活性を測定した。その結果、SP1結合領域を含むSNP変異上流遺伝子において、プロモーター活性の低下が見られた。したがって、黒毛和種においては、SNP変化がプリオン蛋白発現に影響を及ぼす可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)