2005 Fiscal Year Annual Research Report
SPA-1遺伝子改変動物を用いた感染防御と二次免疫応答に関する研究
Project/Area Number |
17380182
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
服部 雅一 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (40211479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 義正 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (90280700)
中嶋 善明 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10300724)
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Keywords | Rap1 / SPA-1 / PD-1 / 免疫不全 / ERK活性化 |
Research Abstract |
低分子量G蛋白Rap1に対する負の制御因子、SPA-1の遺伝子破壊マウス(SPA-1-/-マウス:129xB6バック)は、生後1年〜1年半以内にT細胞機能不全に基づく免疫不全と続発性の骨髄性白血病を発症する。このT細胞機能不全発症の分子メカニズムを明らかにするために、遺伝的背景が異なるSPA-1-/-マウスを作出し、解析を行った。その結果、C57/BL6バックグラウンドのSPA-1-/-マウス(B6 SPA-1-/-)では129xB6バックのSPA-1-/-マウス同様、生後半年を過ぎるころからT細胞の機能不全が観察されたが、BALB/cバックグラウンドのSPA-1/-マウスでは観察されなかった。両マウスのT細胞の相違について解析したところ、B6 SPA-1-/-マウスにおいて加齢に伴いnegative co-receptorの1つであるPD-1を発現したCD4T細胞(PD-1+CD4+T細胞)が増加していることが明らかとなった。この細胞を精製し、抗原刺激を行ったところ、通常抗原刺激により活性化されるERKが全く活性化されないこと、および増殖反応が全くは起こらないことが明らかとなった。しかし、抗原刺激の代わりにPMAおよびイオノフォアで刺激することにより正常増殖を示したことから、PD-1+CD4+T細胞では増殖機構そのものに異常があるのではなく、T細胞抗原レセプター下流のERKに至る経路でシグナル阻害が起こっていることが予想された。正常マウスにおけるPD-1+CD4+T細胞について解析したところ、興味深いことに正常B6マウスにおいても、加齢に伴いPD-1+CD4+T細胞が増加することが、明らかとなった。現在、PD-1+CD4+T細胞における抗原不応答性の分子メカニズムについて解析を行っている。
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Research Products
(4 results)