2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17380185
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中山 裕之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (40155891)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞鍋 昇 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (80243070)
上塚 浩司 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (60251419)
内田 和幸 宮崎大学, 農学部, 助手 (10223554)
|
Keywords | イヌ / ネコ / 脳 / 老化 / ネプリライシン / βアミロイド / パーキンソン病モデル / 神経幹細胞アポトーシス |
Research Abstract |
イヌとネコの脳についてNeprilysin(Nep)の発現と活性、β-Amyloid(Aβ)沈着を検索した。イヌ25例(1〜14歳)、ネコ14例(0〜20歳)の大脳についてNepおよびAβの発現を免疫染色を用いて調べた。また、膜タンパク分画を抽出、生体外基質を用いた方法でNep活性を測定した。イヌ・ネコともに、Nepは大脳皮質では弱い発現が、線条体・黒質では強い発現が認められた。Nep活性値はイヌでは『線条体>大脳皮質>大脳白質・海馬』、ネコでは『線条体>大脳皮質>海馬>大脳白質』の順で高かった。イヌの線条体で加齢によるNep活性の減少傾向がみられたが、他の部位では発現・活性ともに年齢による差はなかった。Aβは、イヌでは7歳、ネコでは10歳から沈着が認められ、加齢にともない沈着の程度、頻度ともに増加した。沈着部位は、いずれも大脳皮質、海馬であった。両動物種間でAβの沈着形態に明確な差は認められなかった。 イヌとネコではAβの沈着時期および形態は、これまで考えられていたより類似していた。両種の寿命がほぼ同じであることから、脳の老化速度もほぼ同一である可能性がある。イヌおよびネコの線条体・黒質では全年齢を通じてNepの活性が高く、そのためAβの沈着がおきない可能性が示された。大脳皮質、海馬はNepの活性・発現が線条体より低いため、Aβが十分に分解されず沈着した可能性がある。今回の研究によりイヌとネコでNepの発現分布・活性およびAβの沈着分布は非常に良く似ていることが分かった。 これに加えて、パーキンソン病の実験モデル系であるMPTP投与C57BL/6マウスでは、黒質-線状体系細胞のみならず脳室周囲の神経幹細胞にもアポトーシスが生じることを明らかにした。
|
Research Products
(2 results)