2005 Fiscal Year Annual Research Report
磁化活性汚泥法と電解処理を組み合わせた新たな農畜産系廃水処理に関する研究
Project/Area Number |
17380190
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
倉持 勝久 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (00091546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅津 一孝 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (20203581)
谷 昌幸 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (00271750)
井原 一高 宮城大学, 食産業学部, 助手 (50396256)
酒井 保蔵 国立大学法人宇都宮大学, 工学部, 助教授 (70186998)
渡辺 恒雄 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (90240499)
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Keywords | 農畜産系廃水処理 / パーラー排水 / 磁化活性汚泥法 / 電解処理法 / アンモニア態窒素 / メタン発酵消化液 / 電気エネルギー |
Research Abstract |
1.農畜産排水、特にパーラー排水の実態についての調査結果 十勝管内を中心に、10数戸の酪農家よりパーラー排水を採取し、それらの特徴について以下の結果が得られた。 1)パーラー排水排水の主な構成要素は、廃乳に起因するもの、洗浄水に起因するもの、糞尿や敷きわらなどであり、これらが混然一体となっていることがわかった。 2)これらを分析したところ、平均的なパーラー排水は、BODレベルで1000〜2000mg/L、T-N100mg/L、T-P20mg/L、水量70ml/頭/日であることが判明し、浄化すべき排水の基準が明らかになった。 2.電気エネルギーによる廃水処理方法に関する基礎的実験 電気エネルギー特に電解による農畜産系廃水処理に関する基礎的研究を行ったところ、以下に示す結果が得られた。 1)電解酸化法による有機物分解過程の検討 廃水処理に電解酸化法を適用するためには、省エネルギーの観点から反応効率の向上が不可欠である。そこで、電極近傍での反応と電極間バルクでの反応に区分した上で、電解酸化法による有機物質の分解特性について検討を行った。その結果、シュウ酸、ギ酸では高い電流効率が得られたが、酢酸の電流効率は極めて低いことが判明した。通常の電解酸化法では酢酸の分解特性が低いことから、何らかの生物処理と組み合わせる必要性が示唆された。 2)農畜産系廃水への電解酸化法の適用 畜産糞尿を投入源とするメタン発酵から排出された消化液には高濃度のアンモニア性窒素や難分解性有機物が残留している。そこで消化液の後処理法として電解酸化法の適用を試みた。DSAをアノードした電解において、アンモニア性窒素とCODの両方の低減が可能であった。また、アンモニア性窒素の分解効率向上にはNaClの添加が有効であった。脱色性能も良好であることから、メタン発酵消化液処理に電解酸化法が有効であることが示された。 3.磁化活性汚泥法のパーラー排水への適応実験 実験室内にて、磁化活性汚泥法によるシステムを作り、実際の排水処理実験を行った。すなわちCODレベルで平均1500mg/Lのパーラー洗浄水と糞尿混合排水を設備に投入したところ、平気で90%以上の浄化が認められ、連続して150日以上効果が持続したことが判った。このことから、パーラー排水に関して、磁化活性汚泥法の適用が可能であることが確かめられた。
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Research Products
(6 results)