2006 Fiscal Year Annual Research Report
マングローブ実生胚軸のガス交換機能から見た耐塩性機構の解明および植林技術への展開
Project/Area Number |
17380193
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
北宅 善昭 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (60169886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 俊夫 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (50316014)
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Keywords | マングローブ / 胚軸 / O_2濃度 / 葉面コンダクタンス / 植林 / 根 / ヒルギ科 / ロックウール |
Research Abstract |
植林後の幼植物は、水没および海藻、フジツボや泥土などの付着による遮光の影響を受けやすい。そこでマングローブ幼植物の初期成長に及ぼす水没および遮光の影響、および植林後の幼植物の生存率を高め、成長を促進する方法について検討した。<試験1>胎生種子で繁殖するマングローブであるフタバナヒルギおよびヒルギダマシを用いて、幼植物の胎生種子由来部分を水没させた処理区(水没区)、アルミニウムフィルムで遮光した処理区(遮光区)、これらを組み合わせた処理区(水没遮光区)、および対照区(無処理区)を設けた。その結果、フタバナヒルギでは、処理開始から約4ヵ月後に水没区および水没遮光区の生存率は低下し始め、その後短期間で大きく低下した。ヒルギダマシでは、処理後8日目に水没区、遮光区および水没遮光区の植物の伸長は抑制され始め、実験終了時(27日目)のこれらの区の植物高は無処理区の0.6-0.8倍であつた。水没区および水没遮光区の全乾物重はそれぞれ無処理区の0.8および0.7倍であった。特に水没区および水没遮光区での葉の成長が抑制された。<試験2>培地内に気相を確保し、根の呼吸を促進することにより、苗の成長を促進するとともに、移植後の生存率および成長速度向上を図る目的で、ロックウール培地を利用した植林方法と従来のビニールポットに充填した土壌培地を用い方法との比較試験を行った。その結果、ロックウール培地で育成した苗の生存率は、従来法で育成した苗に比べて、植林地での生存率は1.5倍になった。ロックウールを培地に用いたことで、従来法に比べ、根圏の通気性が高く保たれ、根の成長が促進されたと考えられる。またフタバナヒルギおよびヒルギダマシの苗の生存率は、地表面高の高い試験区で大きくなった。
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Research Products
(1 results)