2007 Fiscal Year Annual Research Report
植物におけるカドミウムの吸収・輸送動態に関するポジトロンイメージングを用いた研究
Project/Area Number |
17380194
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
藤巻 秀 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (20354962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴井 伸郎 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究職 (20391287)
中村 進一 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (00322339)
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Keywords | カドミウム / ポジトロン / トレーサ / イメージング / 吸収 / イネ / ファイトレメディエーション / 輸送 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、土壌および食糧の汚染が社会問題となっているカドミウムについて、カドミウムの経根吸収および植物体中の輸送の動態をポジトロン放出カドミウム核種を用いたリアルタイムイメージングによって明らかにすることである。それに対し、19年度の成果としては、カドミウムの吸収および輸送動態に関して、イネの品種間での比較を行ったこと、またアブラナにおいて根圏へのグルタチオン添加により、カドミウムの移行・蓄積に生じる変化を画像化することに成功したことなどが挙げられる。具体的な成果は以下の通りである。1.カドミウム吸収・輸送動態のイネ品種間差過去の研究によりカドミウムを地上部に高濃度で蓄積する品種として知られている「長香穀」と、対照として「日本晴」の2品種を用いて、根基部と地上部のイメージングを行った。その結果、経根吸収したカドミウムを地上部に輸送しやすい傾向が長香穀に認められた。これはカドミウムを玄米に輸送しにくい品種をポジトロンイメージングによって選抜するという戦略が現実的であることを示す結果である。2.根圏へのグルタチオン添加による方ドミウム吸収・輸送動態の影響アブラナ幼植物の水耕液にグルタチオンを投与してイメージングを行ったところ、対照区に比ベカドミウムの地上部への移行が抑制されることを画像化の点からも確認した。これは、作物におけるカドミウムの吸収と輸送を、農薬などによって外部から人為的に制御できる可能性を示す重要な結果である。
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Research Products
(10 results)