2005 Fiscal Year Annual Research Report
不斉ロジウム(II)錯体触媒:カルベン反応からナイトレン反応・ルイス酸触媒反応へ
Project/Area Number |
17390001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 俊一 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (80107391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 精一 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (90261320)
穴田 仁洋 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90344473)
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Keywords | ロジウム(II)錯体 / 不斉触媒反応 / カルベン / C-H挿入反応 / ナイトレン / カルボニルイリド / 1,3-双極付加環化反応 / ルイス酸 |
Research Abstract |
本年度は、N-フタロイルアミノ酸を架橋配位子として組み込んだロジウム(II)カルボキシラート錯体およびその誘導体を用いた不斉触媒反応を検討し、以下の成果を得た。 (1)α-ジアゾ-β-ケトエステルをカルボニルイリド前駆体、フェニルアセチレン誘導体を求双極子剤とする分子間不斉1,3-双極付加環化反応において、Rh_2(S-TCPTTL)_4を触媒に用いると極めて高いエナンチオ選択性(最高98% ee)が得られることを見出した。また、スチレン誘導体を求双極子剤とした場合、完璧なエキソ選択性と最高99%の不斉収率が得られることが分かった。 (2)(2-ニトロフェニルスルホニルイミノ)フェニルヨーディナンをナイトレン前駆体とする鎖状ケトン由来のシリルエノールエーテルの不斉アミド化反応において、Rh_2(S-TFPTTL)_4を触媒に用いると最高95%の不斉収率でα-アミノケトンが得られることを見出した。得られたα-アミノケトンは、閉環メタセシスおよびGrewe環化反応を経て(-)-Metazocineへ変換することができた。 (3)酸素官能基一つで活性化された1,3-ジエンとアセチレニックアルデヒドとの不斉ヘテロDiels-Alder反応にRh_2(S-BPTPI)_4をルイス酸触媒として用いると、完璧なシス選択性と最高99%の不斉収率でテトラヒドロピラノン誘導体が得られることを見出し、本反応を鍵工程とする(-)-Centrolobineの触媒的不斉合成を行なった。また、Rh_2(S-BPTPI)_4は酢酸メチル由来のシリルケテンアセタールと電子求引基を組み込んだアルデヒドとの不斉向山アルドール反応において最高94%のエナンチオ選択性を実現することが分かった。
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Research Products
(6 results)