2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 修 東京大学, 大学院薬学系研究科, 教授 (50195781)
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Keywords | マイクロリアクター / 微小空間 / 金属触媒 / 酸素酸化 / 固定化触媒 / ポリシラン / 多相系反応 / パラジウム |
Research Abstract |
マイクロチャネルリアクターを指向した効率的な酸素酸化反応の開発 筆者はこれまでに、水素ガス存在下でのマイクロチャネルリアクターを用いる気相-液相-固相の効率的三相系水素化反応の開発を達成している。同じ原理に基づけば、酸素ガスを用いることで効率的酸化反応が進行するはずである。そこで、まずフラスコ内において、マイクロチャネルリアクターでの酸化反応を指向した触媒開発を行った。まず、筆者独自の触媒である高分子カルセランド型ルテニウム触媒を調製し、アルコールの酸化反応を行ったところ、常圧の酸素雰囲気下、再酸化剤を添加することで反応は円滑に進行し、高い収率で目的物を得ることができた。本触媒はマイクロチャネルリアクターへと展開するため、再酸化剤が不要な系を目指して引き続き検討中である。一方、高分子カルセランド型金触媒を調製して同様にアルコールの酸素酸化反応を試みたところ、塩基の存在下、反応は温和な条件で円滑に進行した。この触媒では高分子内に金ナノクラスターが取り込まれており、反応の基質一般性も高かった。また、反応条件を調節することで塩基の非存在下においても酸化反応が進行することが確認され、マイクロチャネルリアクターでの反応に適した系が実現できた。 ポリシラン担持パラジウム触媒を用いる三相系水素化反応 これまで用いてきた高分子カルセランド型金属触媒の代わりに、ポリシランに担持させたパラジウム触媒の開発を行った。この触媒を用いると水素化反応を始めとするパラジウム触媒が円滑に進行することが明らかとなり、マイクチャネルリアクターの反応へと展開した。チャネル内壁にポリシラン担持パラジウム触媒を固定化して水素化反応を行ったところ、反応は円滑に進行し、定量的に目的物である還元体を得ることができた。
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Research Products
(3 results)