2006 Fiscal Year Annual Research Report
高精密分子認識システムによる胆汁酸新規生理機能の解明
Project/Area Number |
17390009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 順一 東北大学, 病院, 教授 (80006337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱沼 隆則 東北大学, 病院・助教授 (20199003)
眞野 成康 東北大学, 大学院薬学研究科, 助教授 (50323035)
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Keywords | 胆汁酸 / 結合タンパク質 / アフィニティー抽出 / アフィニティーラベル化 / 修飾タンパク質 / リン酸化修飾 / 誘導体化 / 質量分析法 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、プロテオミクス手法を駆使して胆汁酸の新規生理機能の解明を試みた。前年度脳下垂体よりCDCA結合タンパク質候補として抽出された成長ホルモンは、脂質代謝、糖代謝において胆汁酸と相反する作用を示すことが知られている。そこでまず、CDCAと成長ホルモンの結合を、アフィニティーラベル化法を用いて精査することとした。CDCAのアシルアデニレートをアフィニティーラベル化剤として用い、成長ホルモンに作用させた後に、質量分析法により解析したところ、Lys^<55>、Lys^<192>、Lys^<196>及びLys^<205>のε-アミノ基で結合することが判明し、これらのリジン残基が共通して存在する空間でCDCAが結合していることが明らかとなった。 脳内胆汁酸の輸送タンパク質を検索したところ、胆汁酸に結合能を示すタンパク質の存在が明らかとなり、しかもそれが黒質に局在することが判った。 Caco-2細胞中のタンパク質に対する胆汁酸により不可逆的修飾に検討を加えたところ、核画分中のタンパク質の方が細胞質画分中のタンパク質よりも修飾され易いことが判明した。胆汁酸抗体を用いてウエスタンブロット解析により特定した修飾タンパク質につき、質量分析法を用いて解析したところ、全タンパク質スポットの同定に成功した。 リン酸化部位特異的誘導体化法につき検討し、タンパク質の状態で誘導体化可能であること、^<79>Br及び^<81>Brを含むことによるツインピークがプロダクトイオンスキャン中に明確に観測され、これによりリン酸化部位の解析が極めて容易になることが判った。
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