2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390025
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小林 俊秀 独立行政法人理化学研究所, 小林脂質生物学研究室, 主任研究員 (60162004)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄籠 秀彦 独立行政法人理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, 研究員 (80391986)
石塚 玲子 独立行政法人理化学研究所, 小林脂質生物学研究室, 研究員 (60342747)
牧野 麻美 独立行政法人理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, リサーチアソシエイト (20373368)
|
Keywords | 脂質プローブ / 脂質ラフト / 膜結合毒素 / 膜ドメイン / スフィンゴミエリン / GM1 / コレステロール / シグナル伝達 |
Research Abstract |
細胞膜上で脂質がどのように配列しているか、ということはほんどわかっていない。脂質ラフトはスフィンゴ脂質とコレステロールに富む膜上のドメインと定義されるが、最近の研究はすべての脂質ラフトが同一の脂質組成を持っているのではなく、さまざまな種類の脂質ラフトが存在することを示唆している。ライセニンは脂質ラフトの主要コンポーネントのひとつであるスフィンゴミエリンに特異的に結合するタンパク質毒素である。これまでにわれわれはライセニンが膜上での脂質の分布状態に依存してスフィンゴミエリンを認識することを報告してきた。ライセニンを用いて生きた状態の生体膜を研究しようとする場合、その毒性が大きな問題となる。今回さまざまなライセニンのミュータントを調製し、スフィンゴミエリンには結合するが毒性を持たないプローブの開発に成功した。無毒ライセニンを用いることによりJurkat T細胞においてはスフィンゴミエリンに富むラフトと糖脂質GM1に富むラフトはそれぞれ別々に細胞膜上に存在することが示された。T細胞受容体の活性化やGM1の架橋はJurkat細胞を活性化するが、カルシウムの流入やタンパク質のリン酸化はスフィンゴミエリンを架橋することによっても誘起される。スフィンゴミエリンの架橋による細胞の活性化のメカニズムの詳細な解析からスフィンゴミエリンに富んだドメインとGM1に富んだドメインとは異なった種類のシグナル伝達のプラットフォームとして機能していることが示唆された。
|
Research Products
(7 results)