2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390025
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
小林 俊秀 独立行政法人理化学研究所, 小林脂質生物学研究室, 主任研究員 (60162004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄籠 秀彦 独立行政法人理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, 研究員 (80391986)
石塚 玲子 独立行政法人理化学研究所, 小林脂質生物学研究室, 研究員 (60342747)
牧野 麻美 独立行政法人理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, リサーチアソシエイト (20373368)
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Keywords | エンドサイトーシス / 後期エンドソーム / ビス(モノアシルグリセロ)リン酸 / リゾビスボスファチジン酸 / コレステロール / ガングリオシド / 脂質ドメイン / スフィンゴリピドーシス |
Research Abstract |
細胞外の物質や細胞膜の脂質、タンパク質はエンドサイトーシスにより取り込まれ、初期エンドソーム、後期エンドソーム、リソソームと輸送されて分解される。後期エンドソームは特徴的な脂質、ビス(モノアシルグリセロ)リン酸(BMP)を大量に含んだ内膜構造を有している。BMPはエンドソーム内膜において固有の脂質ドメインを形成し、後期エンドソームにおける脂質、タンパク質の分解、後期エンドソームからの高分子のソーティングに関与していると考えられている。しかしBMPの構造、代謝、機能はわからないことが多い。平成18年度においてわれわれはBMPドメインの機能とBMPの作る膜ドメインの構造について解析を行った。 1)BMPドメインの機能D-PDMPは糖脂質合成阻害剤であると同時に多剤耐性のがん細胞を抗がん剤に感受性にする、という作用を持っている。われわれはD-PDMPの細胞への作用機構を解析し、D-PDMPは糖脂質合成とは無関係にBMPドメインに蓄積することにより細胞内のコレステロールのホメオスタシスを変化させ、その結果抗がん剤への感受性を付与することを明らかにした。またBMP特異的抗体を用いることにより、BMPドメインがマクロファージにおけるコレステロール代謝に重要な役割を果たしていることを示した。 2)BMPドメインの構造自然界のほとんどの脂質においてグリセロリン酸はsn-3の立体配置を示すが、BMPはsn-1-グリセロリン酸構造を持つ、という特徴がある。sn-3-BMPとsn-1-BMPを化学合成し、2つの脂質は物理化学的性質が異なっていることを示した。またBMPは酸1生条件下においてガングリオシドと特徴的な多重膜構造を形成することを示し、遺伝的ガングリオシド蓄積症における特徴的なエンドソームの構造の変化を試験管内で再現することに成功した。
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Research Products
(7 results)