2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390031
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
早川 洋一 Tokyo University of Science, 薬学部, 教授 (20208606)
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Keywords | 小胞体ストレス / 分子シャペロン / GRP78 / ammocidin / IGF / tyroscherin / 立体異性体 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
分手シャぺロンGRP78は、グルコース飢餓による小胞体ストレスによって発現が強く誘導される。固形癌細胞は低酸素・低栄養環境下で生存するため、GRP78の発現が上昇していることが知られている。したがって、小胞体ストレス下で誘導されるGRP78発現を阻害する化合物は、固形癌選択的な抗腫瘍剤となることが期待される。GRP78発現阻害物質としてSaccharothrix sp. AJ9571株が生産する20員環マクロライドammocidin Aを見出しているが、本菌の代謝産物として新たにammocidin B、C、Dを単離し、NMR解析により、これらの構造を決定した。Ammocidin CおよびDは、ammocidin AおよびBと比較して活性が低下したことから、活性発現における24位の糖鎖の重要性が示唆された。 増殖因子IGF-1は小胞体ストレスによる細胞死を抑制することが知られている。IGF-1依存的に増殖するMCF-7ヒト乳癌細胞に対して選択的に抑制作用を示す化合物として、Pseudallescheria sp. QN23319株が生産するtyroscherinを見出しているが、tyroscherinの立体異性体を合成し、構造活性相関を検討した。その結果、2S,3R,8R,10R体である天然物の活性と選択性が最も高く、2S,3R,8S,10S体、2R,3S,8R,10R体の順に活性と選択性が低下し、2R,3R,8S,10S体と2R,3S,8S,10S体は、活性、選択性ともに低かった。したがって、2S,3R構造が活性発現に重要であることが示唆された。
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