2006 Fiscal Year Annual Research Report
天然フラボノイドの立体構造固定による新機能発現と医薬品への応用
Project/Area Number |
17390033
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
福原 潔 国立医薬品食品衛生研究所, 有機化学部, 室長 (70189968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 晴宏 国立医薬品食品衛生研究所, 有機化学部, 部長 (30160807)
梅村 隆史 国立医薬品食品衛生研究所, 病理部, 主任研究官 (50185071)
正田 卓司 国立医薬品食品衛生研究所, 有機化学部, 研究員 (60435708)
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Keywords | 抗酸化剤 / カテキン / フラボノイド / 活性酸素 / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究は我々が開発したフラボノイドの立体構造の平面固定化反応を利用して対象とする疾病への治療および予防に有効な分子設計を行う。そしてこの手法を利用して多様な生物活性と薬物導体が制御された新しい予防化学物質を開発することを目的としている。昨年度はアルキル側鎖を導入して脂溶性を増強させた平面型カテキン誘導体を合成し、がん細胞に対する増殖阻害効果について検討を行った。今年度は、脳疾患改善薬の開発を目指して強力なラジカル消去能を有する脂溶性平面型カテキン誘導体の設計と合成を行った。我々は既にフェノール性抗酸化剤は塩基性条件下、脱プロトン化によってフェノキシアニオンになると酸化電位が変化してラジカル消去活性が飛躍的に増強することを明らかにしている。そこで、平面型カテキンの抗酸化力をさらに増強させる為に分子内に塩基性官能基を導入して生理的(中性)条件下でもフェノール性水酸基の脱プロトン化反応が進行してフェノキシルアニオンが生成する構造を考え、平面型カテキンのリジン付加体(1)の合成を行った。1は、カテキンに4-オキソ吉草酸エチルエステルを反応させて平面固定化を行った後、末端のエステルをアルコールに還元し、リジンと縮合させて合成した。ラジカル消去活性を活性酸素のモデル化合物としてガルビノキシルラジカル(G・)を用いて解析した結果、天然カテキンの水素移動反応速度定数(k_<HT>)は3.87×10M^<-1>s^<-1>であるのに対して、リジンを付加させた1は1.04×10^4M^<-1>s^<-1>となり、天然カテキンは平面固定化した構造に塩基性置換基としてリジンを導入することによってラジカル消去活性が飛躍的に増強することがわかった。今後は、血液能関門を容易に通過して脳内への集積が可能な誘導化を行う予定である。
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Research Products
(5 results)