2007 Fiscal Year Annual Research Report
天然フラボノイドの立体構造固定による新機能発現と医薬品への応用
Project/Area Number |
17390033
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
福原 潔 National Institute of Health Sciences, 有機化学部, 室長 (70189968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 晴宏 国立医薬品食品衛生研究所, 有機化学部, 部長 (30160807)
梅村 隆史 国立医薬品食品衛生研究所, 病理部, 室長 (50185071)
正田 卓司 国立医薬品食品衛生研究所, 有機化学部, 研究員 (60435708)
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Keywords | 抗酸化剤 / カテキン / フラボノイド / 活性酸素 / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究は我々が開発したフラボノイドの立体構造の平面固定化反応を利用して対象とする疾病への治療および予防に有効な分子設計を行う。そしてこの手法を利用して多様な生物活性と薬物導体が制御された新しい予防化学物質を開発することを目的としている。昨年度は、脳疾患改善薬として生理的条件下でも強力なラジカル消去能を有する脂溶性平面型カテキン誘導体について検討を行い、リジンを平面型カテキンに導入した誘導体が非常に強力なラジカル消去活性を有していることを明らかにした。この化合物はリジン側鎖のアミノ基によって平面型カテキンのフェノール性水酸基の脱プロトン化反応が中性条件下でも進行していることが予測される。その結果、生成するフェノキシルアニオンは酸化電位が低い為、活性酸素に対して一電子移動反応が進行しやすくなっていることが考えられる。そこで今年度は、様々な置換基を導入した平面型カテキン誘導体を合成し、さらにラジカル消去活性を測定して、ラジカル消去能に対する置換基のpKaの影響について検討を行った。 合成:カテキンに4-オキソ吉草酸エチルエステルを反応させて平面固定化を行った。さらに、末端のエステルを酸加水分解させてカルボン酸誘導体を、LiAlH4で還元してアルコール誘導体を、また、アルコール誘導体にMitsunobu反応を行ってアミノ誘導体を合成した。アルコール誘導体については、リジン以外の酸性、中性、塩基性アミノ酸の導入についても検討を行った。ラジカル消去活性:ガルビノキシルラジカルに対するこれらの誘導体の消去能について解析した結果、アミノ基を有する誘導体が飛躍的なラジカル消去能の増加がみられた。一方、アルコール誘導体、カルボン酸誘導体は平面型カテキンのラジカル消去能の増強作用はみられなかった。以上、塩基性側鎖の導入は平面型カテキンのラジカル消去能の増強に有効であることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)