2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体試料中の有機フッ素系化合物の微量分析法の構築とヒト暴露量の評価
Project/Area Number |
17390036
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
中澤 裕之 星薬科大学, 薬学部, 教授 (50150173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 貢一 星薬科大学, 薬学部, 助教授 (40386347)
伊藤 里恵 星薬科大学, 薬学部, 助手 (90398892)
岩崎 雄介 星薬科大学, 薬学部, 助手 (10409360)
牧野 恒久 東海大学, 医学部, 名誉教授 (30085758)
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Keywords | 有機フッ素系化合物 / 安定同位体 / PFOS / PFOA / カラムスイッチング / 血液 / 外部精度管理 |
Research Abstract |
有機フッ素系化合物(PFCs)の中でもPFOS及びPFOAを測定対象物質とし、血液中に残留することから、ヒト生体試料として血液を分析対象として新規分析法を開発した。分析法には多検体試料の分析も視野に入れるため、ハイスループットでかつ簡単・迅速手法であることと、高感度と高精度が要求されることからカラムスイッチング-LC/MS法を構築した。本システムは、血液試料に除タンパクを兼ねた内標準溶液を添加した後、直接分析を行うことにより、Extractionカラムでトラップし、バルブを切り替え、分析用カラムで分離した後、MSへ導入する方式である。その結果、従来の方法よりも前処理時間、分析作業労働、溶媒量等が軽減化された。また、測定には、MSを利用しているため、化学物質の保持時間に合わせて、質量数での評価が可能である。これにより、分析値の信頼性も格段に向上した。定量分析においては内標準物質(安定同位体)を利用した補正を採用した。 本分析法の正確性を評価するため、2005年8月にカナダ・トロントで開催されたPFCs国際精度管理プロジェクトに参画した。この国際プロジェクトでは、測定対象試料として標準試料、環境試料及び生体試料があり、それぞれの試料のPFCs濃度を測定することで測定値の評価を行った。標準試料と生体試料(血漿及び全血試料)の測定に参画した。参加した血漿(18機関参加)及び全血試料(11機関参加)のPFOS及びPFOAに関する我々の測定結果は、全ての試料においてZ-スコアの範囲内に入っており、本分析法が高い精度を有することを確認した。これらの成果は、日本薬学会第125年会(東京)、FLUORS(2005)(Toront)、DIOXIN(2005)(Toront)、第66回分析化学討論会(北見)で発表した。 本年度は、この分析法を駆使して平成10年度から厚生労働科学研究で相互に主任研究者及び分担研究者として共同研究を推進してきた東海大学産婦人科系部門グループと連携して基礎研究をスタートさせる。
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Research Products
(2 results)