2005 Fiscal Year Annual Research Report
新たな疾患治療を目指したカルシウム活性化カリウムチャネル作用薬の薬効解析と応用
Project/Area Number |
17390045
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
今泉 祐治 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (60117794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 進 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (70275147)
戸苅 彰史 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (80126325)
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Keywords | カルシウム活性化カリウムチャネル / カリウムチャネル開口薬 / ピマル酸 / 心筋ミトコンドリア / 心筋保護作用 / 間質細胞 / リアノジン受容体 / ペースメーカー細胞 |
Research Abstract |
神経・筋などの興奮性細胞において、Ca^<2+>過負荷による障害発生の抑制には、電位感受性Ca^<2+>チャネル活性に負の帰還をもたらすCa^<2+>依存性K^+チャネルの機能亢進が有効と考えられている。Ca^<2+>依存性K^+チャネルの一つであるBKチャネルの開口物質は、緊張性膀胱(頻尿)治療・脳虚血障害軽減などの作用が期待されている。今年度、ピマル酸関連化合物の構造活性相関から現在知られている最強の活性を持つ化合物(12,14-ジクロロアビエチン酸)の探索に成功した。 ごく最近、心筋ミトコンドリア内膜上にもBKチャネルが発現している可能性が示唆され、その生理機能解明と各種の疾患・病態との関わりの解明は、極めて注目すべき課題である。今年度、心筋ミトコンドリアにBKチャネルが機能的に発現し、それが虚血時の心筋保護作用に関与している可能性を示すことが出来た。 一方、消化管などの間質細胞においては、自発性の細胞内Ca^<2+>濃度変化がCa^<2+>依存性イオンチャネルを制御することにより、電気信号に変換され組織内を伝播するため、組織に律動性の運動をもたらすことが知られている。しかし、その機構の詳細は不明であるため、また、ペースメーカー機能に作用する薬物のスクリーニング系が存在しないため、ペースメーカー機能のモデルを再構築することを試みた。今年度、消化管間質細胞において発現が確認された3型リアノジン受容体遺伝子とSK2チャネル遺伝子をHEK培養細胞に導入したところ、消化管から得た組織小片の系と極めて類似した自発性Ca^<2+>遊離とそれに起因する伝搬性の膜電位変化が観察された。消化管を含めた末梢組織ペースメーカーモデル構築の基盤となると考えられる。
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Research Products
(9 results)