2007 Fiscal Year Annual Research Report
新たな疾患治療を目指したカルシウム活性化カリウムチャネル作用薬の薬効解析と応用
Project/Area Number |
17390045
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
今泉 祐治 Nagoya City University, 大学院・薬学研究科, 教授 (60117794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 進 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (70275147)
山村 寿男 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (80398362)
戸苅 彰史 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (80126325)
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Keywords | Ca^<2+>活性化K^+チャネル / BKチャネル / SKチャネル / カリウムチャネル開口薬 / リアノジン受容体 / カベオラ / 創薬研究 / 電位感受性蛍光色素 |
Research Abstract |
脳神経等の興奮性細胞では、強い刺激と興奮により細胞にCa^<2+>負荷が生じた場合、自己防衛的にスパイク発生頻度を減じてCa^<2+>過負荷による細胞障害を回避するシステムが幾種か存在する。特にCa^<2+>活性化K^+チャネルはその活性化により、過分極を介して電位依存性Ca^<2+>チャネル活性を低下させるため、多くの興奮性細胞において最も基本的な[Ca^<2+>]_i負帰還調節機構を担う重要な分子と認識されている。本研究はCa^<2+>活性化K^+チャネルの分子制御機構の解明を基盤とした創薬研究を目的としている。19年度は次の事柄を明らかにした。 (1)2型リアノジン受容体(RyR2)異型接合性欠損マウス膀胱平滑筋を用いて、[Ca^<2+>]_i負帰還調節機構へのRyR2と大コンダクタンスCa^<2+>活性化K^+(BK)チャネルの寄与を明らかにした。膀胱平滑筋においてRyR2を介した自発Ca^<2+>遊離(Ca^<2+>spark)の発生とそのCa^<2+>信号をBKチャネル活性化を介してSTOCsという電気信号に変換する機構は、尿貯留・排泄調節という膀胱機能発現において根源的な果たす役割を果たすことが示され(J Physiol, 2007)、当該機構の分子実体は、カベオラ構造内にカベオリンを中心とする分子集合体として存在することが強く示唆された(J Pharmacol Sci, 103, 2007)。 (2)興奮性細胞と著しく異なる非興奮性細胞でのCa^<2+>活性化K^+チャネルの機能を免疫系細胞(Jurkat T)および血管脳関門の血管内皮細胞で共通した機構として明らかにした(J Pharmacol Sci, 104, 2007)。 (3)電位感受性蛍光色素として創薬探索にも汎用されているオキソノール化合物が大コンダクタンスCa^<2+>活性化K^+(BK)チャネル開口作用を有すること、そしてそれはβ1およびβ4サブユニット選択的な作用であることを発見し、BKチャネルβサブユニット選択性のある初めての化合物として創薬シーズの可能性を示した(Mol Pharmacol, 2007)。
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Research Products
(34 results)