2005 Fiscal Year Annual Research Report
霊長類を用いた新規アデノウイルスベクターの機能解析
Project/Area Number |
17390047
|
Research Institution | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
Principal Investigator |
水口 裕之 独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤研究部・遺伝子導入制御プロジェクト, プロジェクトリーダー (50311387)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 健二 独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤研究部・遺伝子導入制御プロジェクト, 主任研究員 (50356234)
櫻井 文教 独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤研究部・遺伝子導入制御プロジェクト, 研究員 (70370939)
寺尾 惠治 独立行政法人医薬基盤研究所, 霊長類医科学研究センター, センター長 (30109920)
|
Keywords | アデノウイルスベクター / 霊長類 / CD46 / 受容体 / 遺伝子治療 / サイトカイン |
Research Abstract |
まず遺伝子導入実験に先立ち、高タイターのベクターを調製可能とするため、35型アデノウイルス(Ad)ベクター用の新規パッケージング細胞(293E1B細胞)を樹立した。このパッケージング細胞を用いることで、従来のパッケージング細胞と比較し2〜5倍高いタイターのベクターが回収可能となった。また、ベクターの物理的安定性向上を目的にpIXが確実に発現するようE1欠損領域を変更した35型Adベクターのベクタープラスミドを作製した。本ベクタープラスミドならびにパッケージング細胞を用いて、β-galactosidase発現35型Adベクターを調製した。 次にカニクイザルに対し35型Adベクターを静脈内投与し、遺伝子導入特性を検討した。まず静脈内投与後の35型Adベクターの血中濃度について検討したところ、35型Adベクターは時間の経過とともに血中より消失していったが、投与96時間後においても検出可能なレベルの35型Adベクターが血中に残存していた。各臓器に取り込まれた35型Adベクター量を測定したところ、肝臓、心臓、肺、腎臓などから多くのベクターDNAが検出された。しかしながら、35型Adベクターは各臓器に分布していたにもかかわらず、各臓器の遺伝子発現効率は極めて低いものであった。 さらに35型Adベクターの安全性を評価するため、投与後の血中サイトカイン量を測定した。その結果、低投与量の個体では恐らく個体差と思われる一時的なIL-6、IFN-γ濃度の上昇が観察されたものの、高投与量の個体では、IL-6、IFN-γ、TNF-αの有意な産生は見られなかった。以上の結果より35型Adベクターの高い安全性が示唆された。
|
Research Products
(2 results)