2006 Fiscal Year Annual Research Report
霊長類を用いた新規アデノウイルスベクターの機能解析
Project/Area Number |
17390047
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Research Institution | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
Principal Investigator |
水口 裕之 独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤研究部・遺伝子導入制御プロジェクト, プロジェクトリーダー (50311387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 健二 独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤研究部・遺伝子導入制御プロジェクト, 主任研究員 (50356234)
櫻井 文教 独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤研究部・遺伝子導入制御プロジェクト, 研究員 (70370939)
寺尾 惠治 独立行政法人医薬基盤研究所, 霊長類医科学研究センター, センター長 (30109920)
中村 紳一朗 独立行政法人医薬基盤研究所, 霊長類医科学研究センター, 協力研究員 (50307980)
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Keywords | アデノウイルスベクター / 霊長類 / CD46 / 受容体 / 遺伝子治療 / サイトカイン / サイトカイン |
Research Abstract |
Subgroup Bに属する35型アデノウイルス(Ad)ベクターはCD46を受容体として認識するが、CD46は霊長類ではほぼ全ての細胞で発現しているものの、げっ歯類では精巣でしか発現していない。そこで本研究ではヒトと同様にほぼ全ての臓器においてCD46を発現しているカニクイザルを用いて35型Adベクターの機能評価を行った。本年度は以下の研究成果を得た。 (1)カニクイザルに35型Adベクターを静脈内投与したところ、35型Adベクターは肝臓をはじめとする各臓器に集積したが、遺伝子発現はほとんど示さなかった。また35型Adベクターの安全性を検討するため、血中の組織障害性マーカーを測定したところ総じて低い値を示したことから、35型Adベクターの高い安全性が示唆された。一方で、従来より汎用されている5型Adベクターをカニクイザルに静脈内投与したところ、肝臓、脾臓において高い遺伝子発現を示した。しかしながら、肝臓においては肝細胞の壊死をはじめとする組織障害が観察され、血中の各種組織障害性マーカーにおいても高い値を示す傾向が見られた。 (2)35型AdベクターのCD46結合部位を検討したところ、35型AdベクターはCD46の先端領域であるShort consensus repeat(SCR)1および2に結合することが明らかとなった。SCR1および2のアミノ酸配列はヒトとカニクイザルの間で相同性が高いことから、35型AdベクターはカニクイザルCD46も受容体として認識することが示唆された。 今後は、35型Adベクターの臓器局所投与による遺伝子導入実験を行う予定である。
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Research Products
(4 results)