2005 Fiscal Year Annual Research Report
心臓機能におけるギャップ結合の役割に関する分子解剖学的研究
Project/Area Number |
17390052
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柴田 洋三郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 理事(教授) (90037482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲井 哲一朗 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (00264044)
廣瀬 英司 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (40380620)
西井 清雅 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, COE拠点形成特別研究員 (20264020)
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Keywords | heart / gap junction / connexin / gene targeting / NFATc1 / endocardial cushion / atrioventricular block |
Research Abstract |
心筋で主に発現しているギャップ結合蛋白Cx43とCx45の遺伝子改変マウスを作製して、初期心拍動と心筋の構造(特に心内膜床)に注目して解析した。Cx43欠損マウスは出生直後に死亡するものの、出生時まで協調興奮し、正常な心内膜床を形成する。Cx45欠損マウスは、心拍開始(胎生8.25日)は正常で或る程度協調興奮するが、その後24時間以内に房室伝導障害と心内膜床形成障害により血流の制御不全となって死亡した。Cx43・Cx45二重欠損マウスでは、Cx45欠損マウスと同様の表現型を示した。この結果は、胎生8.25日付近の心拍開始時には、Cx43・Cx45以外のコネキシンが関与する可能性を示唆している。Cx45は、心筋と心内膜内皮細胞に発現しているので、心筋特異的および心内膜内皮細胞特異的Cx45欠損マウスをそれぞれ作製し解析を進めた。心内膜内皮細胞特異的Cx45欠損マウスは正常に発育、出生、成長したが、心筋特異的Cx45欠損マウスは正常な心内膜床を形成するものの、単純Cx45欠損マウスと同様に房室伝導障害をきたして致死であった。以上の結果から初期心拍動と心内膜床の形成に関して以下のことがわかった。(1)Cx43は心筋の発生にはほとんど関与していない、(2)Cx45が心筋層において欠損したときに心伝導障害が起こる、(3)Cx45が心筋層と心内膜の双方で欠けたときに心内膜床障害が起こる。心内膜床の形成には、弁の誘発に関与するNFATc1転写因子の活性化が必要であり、ギャップ結合を介したCa^<2+>waveがNFATc1/Ca^<2+>/calcineurin系の同期的活性化に関与すると考えられた。 現在、Cx43欠損マウス、Cx45欠損マウス、Cx43・Cx45二重欠損マウスの心臓の微細構造の詳細を、超薄切片や凍結レプリカ法を駆使して、今一度形態学の観点から、さらに解析・検討中である。
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Research Products
(6 results)