2005 Fiscal Year Annual Research Report
イオンチャネル立体構造の機能的解明:電位センサーが脂質膜内を浮動することの検証
Project/Area Number |
17390056
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山岡 薫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10200586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平間 正博 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165203)
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Keywords | シガトキシン / Naチャネル / 電位センサー / 脂質二重膜 / ゲート機構 |
Research Abstract |
[目的] イオンチャネルの電位センサー部分の立体的配置がチャネル蛋白の最外層に位置し、脂質膜を移動して機能するという仮説に対して、合成シガトキシン同族体のCTX3CというNaチャネル毒を利用して機能的根拠をあたえる。なおCTX3Cは分子量が大きく硬い構造をしており脂質膜を貫通して機能すると考えられるのでCTX3Cの作用部位は脂質膜に面すると考えられる。その上でNaチャネルの電位センサーとされる部分や関連する部位のアミノ酸に変異を加えCTX3Cの機能に影響を与えるかを検討する。またCTX3Cそのものに親水性の基を導入しそれらが脂質膜への進入をどのように阻害するかをもってCTX3CのNaチャネルに対する結合配置を考える。 [結果] Naチャネル各ドメインのS6に囲まれたチャネル孔に面するsite-2に感受性のあるmutantsは概ねCTX3Cの作用に影響しない。D1S6の孔に面せず、D1S6のD4に近い側のmutantsでsite-5と言われる部位はCTX3Cの活性化促進作用を喪失させる。またS4の陽電荷を有するアミノ酸を全ドメインにわたって一つずつグルタミンに変異し電位センサーの電荷をneutralizeするとD2のみCTX3Cのブロック効果を逆に電流増大効果に改変する。また、その効果はneutralizeする電荷の位置依存的である(細胞外に近いほど効果は大きい)。以上のことから予想通りCTX3Cは従来のsite-5に加え電位センサー部位を受容体とすることがわかった。 さらにCTX3CのB環OH基に長短のリンカーで親水性の基であるビオチンを付加したものを2種類合成した。ビオチンがCTX3Cの効果にどのように影響を与えるかを今後検討する。
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