2005 Fiscal Year Annual Research Report
アルドステロンによるENaC異常調節に起因する体液量感受機構破綻の分子メカニズム
Project/Area Number |
17390057
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
丸中 良典 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (00127036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新里 直美 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (00237645)
宮崎 裕明 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (30360027)
中島 謙一 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (40398392)
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Keywords | アルドステロン / 高血圧 / 上皮型ナトリウムチャネル / 高食塩 / フラボノイド / ラット |
Research Abstract |
食塩感受性高血圧ラットにおいて、アルドステロンの効果を検証するため、副腎摘出手術を施行することにより、内在性副腎皮質ホルモンの関与を除去した食塩感受性高血圧および食塩耐性正常血圧Dahlラットを作製した。アルドステロンを投与した副腎摘出食塩感受性高血圧Dahlラットおよび食塩耐性正常血圧Dahlラットにおいて、以下の実験を行なった。 食塩感受性高血圧症モデル動物のDahl salt-sensitive(DS)と対照のDahl salt-resistant(DR)ラットを用いてアルドステロンによるENaCの発現制御とフラボノイドの作用について検討した。DSラットに高食塩食を摂取させると血圧が著しく上昇するが、フラボノイドであるケルセチンの同時摂取は腎でのENaC発現を抑制して、高食塩食による血圧上昇を有意に抑制した。さらに、副腎摘出したラットに、アルドステロンを腹腔内に注入し、6時間後に腎臓を摘出してENaCの発現やその発現制御に関わる因子の活性を測定した。その結果、DSラットにおいてENaCのalphaサブユニットはアルドステロンの増大に伴って発現が増大したが、betaとgammaサブユニットは発現が減少し、血漿アルドステロン濃度と逆相関した。以上のことから、アルドステロンによるENaCの発現制御異常が食塩感受性高血圧症発症の一因であることが示唆され、食塩感受性高血圧の発症はフラボノイドの摂取によりENaC発現制御を介して抑制されることが示された。
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Research Products
(5 results)