2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規ペプチドによる中枢性ナトリウム/浸透圧恒常性維持機構の修飾-統合的研究-
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17390061
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
河南 洋 宮崎大学, 医学部, 教授 (00049058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國武 孝人 宮崎大学, 医学部, 助手 (20234461)
加藤 和男 宮崎大学, 医学部, 助手 (80284834)
石塚 雄太 宮崎大学, 医学部, 講師 (20264377)
白阪 哲朗 宮崎大学, 医学部, 講師 (00274788)
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Keywords | ニューロペプチドW / バゾプレッシン / 高張食塩水 / 視床下部室傍核 / ラット / 電気生理 / 免疫組織化学 / 自由行動・意識下 |
Research Abstract |
電気生理学的研究:新規ペプチドであるニューロペプチドW(NPW)を自由行動・意識下ラットの側脳室へ投与すると、血漿中ノルアドレナリン濃度増加を伴って、血圧・心拍数増加が起こる。今回その脳内受容メカニズムを明らかにする目的で、視床下部室傍核(PVN)ニューロン(n=20)のNPWに対する応答性を調べた。NPW投与により、血圧・心拍数増加に先行してPVN単一神経活動は増加(n=10)、減少(n=5)と無変化(n=5)を示した。興奮したニューロンの多くは血圧の上昇(フェニールエフリンの静脈内投与による)、低下(ニトロプルッシド)には反応せず、コレシストキニン(CCK)静脈内投与に応じた。したがってNPWによるPVNニューロン反応は血圧変動による二次的なものではなく、おそらく中枢作用によるものと思われる。この生理機能は不明であるが、NPWはエネルギー代謝調節(摂食行動抑制)への関与が指摘されているので、自律神経系と内分泌系の統合部位であるPVNにおいて腹部内臓からの情報処理に関わっていることが示唆された。 免疫組織学的研究:自由行動・意識下ラットにおいて、高張食塩水の側脳室内への投与により活性化される脳内部位の同定、並びにその修飾メカニズムについて検討した。高張食塩水投与により、c-Fos陽性細胞数増加が終板器官、正中中心核、視索上核、室傍核と最後野において認められたが、脳弓下器官では認められなかった。次にこの反応に対する内因性バゾプレッシンによる修飾作用をバゾプレッシンV_1レセプターアンタゴニストを用いて検討した。バゾプレッシンV_1レセプターアンタゴニスト前処置により、視索上核、室傍核と最後野におけるc-Fos発現が変化した。従って内因性バゾプレッシンを介するフィードバック系の存在が窺われた。そこで視索上核と室傍核に焦点をあわせ、これら神経核におけるバゾプレッシンとオキシトシン産生ニューロンのいずれがこの修飾に関わっているかをc-FosとホルモンmRNAの2重染色により検討した。現在その結果の集計を行っているところである。
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Research Products
(4 results)