2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390062
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
永島 計 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教授 (40275194)
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Keywords | 視交叉上核 / 時計遺伝子 / 体温 / 視交叉上核 / 温度感受性ニューロン |
Research Abstract |
[目的]体温には概日リズムがあり、われわれの過去の研究からこの現象は調節されたものであることを発見している。本研究は、この体温の概日リズムの形成機構と生理学的意義を明らかにすることを目的にしている。[方法と結果]i)多チャンネル微小電極を用いて、概日リズムの最上位中枢である視交叉上核と体温調節の中枢である視索前野の神経ネットワークを調べること、また視索前野の温度感受性が視索前野の電気刺激によって変動するかを調べた。現在、当初計画より遅れてシステムを確立し、予備実験を行っている途中である。ii)体温概日リズムの代謝にあたえる影響を調べる。clock遺伝子ミュータントマウス、ワイルドタイプマウスを用いて、2日間の絶食を行う。この間の体温,代謝の変動を調べ、時計遺伝子が体温調節、代謝調節にいかに影響を及ぼすか調べた。ミュータントワイルドタイプとも絶食により、自由摂食時より30-40%の代謝量の減少を認めた。しかし、体温の減少はワイルドタイプにのみ認められ、特に主観的明期に特異的であった。これより絶食時の代謝減少は時計遺伝子に関与しない調節であるが。代謝減少は時計遺伝子を介して,何らかの形で体温調節に影響を及ぽしていると考えられた。iii)同様にclockミュータント、ワイルドタイプマウスを用いて暑熱、寒冷暴露時の視床下部のFOS発現を調べた。FOSの発現はワイルドタイプにのみ時間特異性があり、ミュータントでは認めなかった。時計遺伝子は体温調節もしくは温度感受性の時間特異性に関係していると考えられた。[結語と展望]代謝時計体温の調節系には密接な関係があり、このメカニズムの解明が必須である。
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Research Products
(3 results)