2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390062
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
永島 計 Waseda University, 人間科学学術院, 准教授 (40275194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時澤 健 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (00454083)
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Keywords | 視交叉上核 / 時計遺伝子 / 体温 / 視交叉上核 / 温度感受性ニューロン |
Research Abstract |
ラットなどげっ歯類における絶食時にはtorporと呼ばれる体温の低下が見られることが知られている。この現象は時間特異的であり、非活動期である明期に特異的に見られる。本年度の研究では、この現象に時計遺伝子の一つであるClockが関与するか否かを検証すること、また関与していればそのメカニズムを明らかにすることを目的とした。実験はJcr系マウス、クロックミュータントとそのワイルドタイプを用いて行った。測定は2日間の絶食、およびコントロールとして自由摂食期間の体温、代謝量、その期間後屠殺した後、脳視床下部領域のcFos発現、褐色脂肪組織のUCP1 mRNAの発現を調べた。また同様な条件下に18℃の寒冷暴露時の反応を調べた。クロックミュータントマウスではワイルドタイプに比較して絶食時のtorporは減弱していた。また寒冷暴露時にはtorporの見られる時間にはワイルドタイプマウスでは体温の低下が著明であるのに対して、torporの見られない時間では体温はほぼ保たれていた。ミュータントマウスでは時間に関わらず体温はほぼ一定に保たれていた。また代謝量の変化もワイルドタイプマウスでは寒冷暴露時、torporが見られる時期には減弱していたのに対して、ミュータントマウスでは時間による差が認められなかった。視床下部領域でのcFos免疫反応陽性細胞数、UCP1 mRNAの発現からもワイルドタイプマウスのみに時間特異的な差が認められた。以上のことにより体温調節反応には時間特異性があり、時計遺伝子であるClockが重要な役割を担っていることが明らかになった。
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Research Products
(14 results)