2005 Fiscal Year Annual Research Report
レプチンおよびTNFαによるオレキシン産生神経の制御機構とその生理的意義の解明
Project/Area Number |
17390063
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
桜井 武 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (60251055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 章弘 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60323292)
後藤 勝年 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (30012660)
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Keywords | オレキシン / レプチン / PI3キナーゼ / K-ATPチャンネル / TNF-α / JAK2キナーゼ / STAT-3 |
Research Abstract |
オレキシンは摂食中枢として知られる視床下部外側野に散在する神経細胞群により産生される神経ペプチドであり、弓状核のニューロペプチドY作動性神経の活性化などを介して摂食行動を亢進させる。一方、オレキシン神経は、睡眠・覚醒状態を適切に維持するという重要な機能を持っている。これらの機能からオレキシンは睡眠・覚醒状態を適切に保つことにより摂食行動などの行動を支える機能を持っていると考えられる。 今年度は、レプチンなどのサイトカインがオレキシン産生神経の活動を制御する細胞内機構を解明するために、電気生理学的な方法を用いて解析を行った。オレキシン神経特異的にGFPを発現するトランスジェニックマウスの脳から作製した視床下部のスライス標本を用い、パッチクランプレコーディングを行い、レプチン、CNTF、IL-6、TNFαがそれぞれの神経の活動に与える影響を調べ、それらの作用機構について考察した。オレキシン神経のほとんどはレプチン、CNTF、IL-6、TNFαによって抑制された。この作用はトルブタミド、PI3K阻害剤(Ly294002)、JAK2キナーゼの阻害剤(AG490)によってそれぞれ完全に阻害されることが明らかになった。また、逆転電位より、どれもK^+チャネルの活性化を介していることが示唆された。さらに、STAT-3をオレキシン神経特異的に欠損させたマウスにおいても、レプチンによるオレキシン神経の抑制は観察された。したがって、レプチンはJAK2の活性化、PI3Kの活性化、K-ATPチャネルの開口を介してオレキシン神経を抑制し、この作用にはSTAT-3を必要としないということが明らかになった。
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Research Products
(8 results)