2005 Fiscal Year Annual Research Report
亜硝酸由来の新しい一酸化窒素産生系の生理的・病態生理的役割の解明
Project/Area Number |
17390066
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
玉置 俊晃 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80179879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香美 祥二 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00224337)
土屋 浩一郎 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (70301314)
石澤 啓介 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 薬剤師 (60398013)
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Keywords | nitrite / nitric oxide / L-NAME / HbNO signal / Electron Paramagnetic Resonance / ischemic renal injury |
Research Abstract |
1)食原性亜硝酸による血中一酸化窒素(NO)増加の証明 ラットにgavageにて亜硝酸ナトリウムを投与すると、血中のヘモグロビンNO(HbNO)signalが増加した。血中NOの由来を明らかにするために安定同位体の亜硝酸ナトリウム(Na^<15>NO_2)を投与したところ、それまでは血中に存在しなかったHb^<15>NO signalを明瞭に検出できた。この結果より、経口的に摂取した亜硝酸由来のNO産生系が生体に存在することを証明した。 2)虚血再灌流腎における亜硝酸由来のNO産生系の証明 ラットに亜硝酸ナトリウム(Na^<15>NO_2)を静脈内に前投与した後、腎動静脈をクランプして虚血状態にした。40分間の虚血にて、腎組織内にHb^<15>NO signalを明瞭に検出できた。虚血後再灌流することにより、腎組織内のHb^<15>NO signalは低下したが、再灌流直後に血中のHb^<15>NO signalは最大値を示し、その後減少していった。虚血腎内での亜硝酸由来のNO産生系には、NO合成酵素は関与せずキサンチンオキシダーゼの関与が薬理学的に示唆された。 3)亜硝酸の慢性投与による臓器保護作用 NO合成酵素阻害薬のL-NAMEをラットに慢性投与すると高血圧と腎障害が起こる。飲水中にヒトが食事で摂取可能な少量の亜硝酸を加えて(1mg/L,10mg/L)L-NAME慢性投与ラットに8週間投与した。L-NAME投与ラットでは、血中のHbNO signalが極めて低値を示した。亜硝酸(1mg/L,10mg/L)併用投与群では、血中のHbNO signalは正常ラットと同等であり、L-NAME慢性投与ラットで観察される腎臓障害が強く抑制されていた。一方、2型糖尿病ラットモデルや食塩感受性高血圧ラットモデルでは、今までのところ慢性亜硝酸投与による臓器保護作用は観察できていない。
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Research Products
(6 results)