2006 Fiscal Year Annual Research Report
亜硝酸由来の新しい一酸化窒素産生系の生理的・病態生理的役割の解明
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17390066
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Research Institution | The university of Tokushima |
Principal Investigator |
玉置 俊晃 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80179879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香美 祥二 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00224337)
土屋 浩一郎 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (70301314)
石澤 啓介 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (60398013)
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Keywords | nitrite / nitric oxide / L-NAME / HbNO signal / Electron Paramagnetic Resonance |
Research Abstract |
1)食事で摂取可能な亜硝酸量による腎保護作用 これまでに食原性亜硝酸が血中一酸化窒素(NO)源になり降圧作用や腎保護作用を持つことを証明したが、薬理学的用量での実験であった。野菜を中心の食事に換えることにより高血圧が改善することや循環器疾患のリスクが軽減することが知られている。一方、野菜や果物には亜硝酸が多く含まれる事も知られている。野菜に含まれる量の亜硝酸にて、亜硝酸由来のNO産生系が働き、降圧作用や腎保護作用がおこるとの仮説を証明するために実験を行った。飲水中にヒトが食事で摂取可能な少量の亜硝酸(0.1mg/L,1mg/L,10mg/L)を加えてL-NAME慢性投与ラットに8週間投与した。L-NAME単独投与ラットでは、血中のHbNO-signalが極めて低値を示した。亜硝酸(0.1mg/L)併用投与群では、ラットの血中HbNO signalは低値のままであった。さらに、0.1mg/Lの亜硝酸投与群では、蛋白尿の減少作用も組織学的腎障害改善作用も観察できなかった。一方、亜硝酸(1mg/L,10mg/L)併用投与群では、血中のHbNO signalは正常ラットと同等であり、L-NAME慢性投与ラットで観察される蛋白尿増加と組織学的腎臓障害が強く抑制されて回復していた。以上の結果は、NOS/L-arginineによるNO産生が障害された病態では、食事性の亜硝酸由来のNO産生系がbackup系として機能することを示唆している。 2)脳虚血時における亜硝酸由来のNO産生系の証明 脳虚血障害では、腎虚血障害とは異なり亜硝酸由来のNO産生系を証明できなかった。また、Na^<15>NO_2を静脈内に前投与した後、脳虚血障害を作成したにもかかわらず、脳組織内や静脈血中にHb^<14>NO signalが観察された。この機序に関しては、現在、検討を加えている。
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Research Products
(5 results)