2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390096
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森 正敬 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (40009650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 知己 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (20264286)
遠藤 元誉 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 技術支援者 (40398243)
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Keywords | 小胞体ストレス / アポトーシス / CHOP / LPS / XBP-1 / BiP / 炎症 / 骨髄腫 |
Research Abstract |
小胞体内構造異常蛋白質蓄積により誘導され、小胞体機能保護に働く経路として見い出された小胞体ストレス経路は、様々な細胞内外からのストレスにより誘導される。また、それらのストレスが過剰な場合には、アポトーシスが誘導され細胞ごと取り除かれる。そのため、小胞体ストレス経路は、様々な疾患の病態に関与している。そこで小胞体ストレス経路を標的とした新たな治療法の開発が期待される。しかし、小胞体ストレスと種々の病態との関連の詳細や、小胞体ストレス誘導性アポトーシスシグナル伝達経路には、いまだ不明の点が多い。本研究において、LPSを腹腔内投与したマウスをモデルに使用し、LPSにより小胞体ストレス-CHOP経路が肺胞上皮やマクロファージに誘導されることを見出した。CHOPは、小胞体ストレスにより誘導され、細胞にアポトーシスをおこす転写因子である。Chopノックアウトマウスでは、LPS誘導性の肺の炎症は抑制された。この結果よりCHOPを介する小胞体ストレス経路が、炎症病態改善の標的となりうると考えられる。また、形質細胞の悪性腫瘍である骨髄腫の病態と小胞体ストレスの関係について検討した。検討した骨髄腫由来細胞株のうち、小胞体ストレス経路活性化のマーカーである活性型XBP-1が発現し、小胞体シャペロンであるBiPの発現レベルが高い株では、小胞体ストレス誘導剤による細胞死に耐性を示した。骨髄腫患者の検討では、腫瘍細胞で活性型XBP-1発現を認める症例では、病期が進行しており、予後不良であった。大量の免疫グロブリン産生を可能にするために、病期が進行するとともに小胞体ストレス経路が活性化されるものと考えられた。この結果から骨髄腫細胞における活性型XBP-1発現が、骨髄腫患者の予後推定の有用な指標となりうることが明らかとなった。今後は、小胞体ストレス経路を標的とした骨髄腫治療の可能性について検討したい。
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Research Products
(4 results)