2006 Fiscal Year Annual Research Report
ムチンを水解するヒト新規シアリダーゼの癌性変化とその意義
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17390119
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Research Institution | Miyagi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
宮城 妙子 宮城県立がんセンター(研究所), 生化学部, 所長兼部長 (50006110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩崎 一弘 宮城県立がんセンター(研究所), 生化学部, 共同研究員 (70390896)
秦 敬子 宮城県立がんセンター(研究所), 生化学部, 共同研究員 (60390895)
立野 紘雄 宮城県立がんセンター(研究所), 病理学部, 部長 (70004744)
佐藤 郁郎 宮城県立がんセンター(研究所), 病理学部, 総括研究員 (50225918)
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Keywords | 癌 / 酵素 / 糖鎖 / シアリダーゼ / 遺伝子 / 癌関連抗原 / シアル酸 / 接着 |
Research Abstract |
酸性糖であるシアル酸は、糖蛋白や糖脂質の糖鎖末端に位置し、多くの細胞機能への関与が推察されている。とくに、シアル酸は腫瘍マーカーであるシアリルTn(sTn)、シアリルLe^x(sLe^x)やシアリルLe^a(sLe^a)などの癌関連抗原に多く見いだされるなど、癌との深い関連性が指摘されてきた。しかしながら、細胞内におけるシアル酸量調節の機構については不明の点が多い。この解明を目的として、シアル酸を脱離するシアリダーゼの研究を行ってきた。最近、我々が同定し性状解析したシアリダーゼNeu4は、これまで解析されてきた他の3種のシアリダーゼ(Neu1,Neu2,Neu3)とは細胞内局在や基質特異性が大きく異なっていた。この新規シアリダーゼNeu4には長さの異なるisoformが存在しており、long formの細胞内局在はミトコンドリアであることが示された。また、Neu4は他のシアリダーゼには見られなかったムチン糖鎖に働くという性質を有し、ヒトでは組織特異的に発現することわかった。本課題では新規シアリダーゼNeu4の癌における役割について、特にムチン糖鎖水解機能に着目して検討した。 ヒトNeu4は、ムチン糖鎖に有効的に働くユニークなシアリダーゼであることが明らかとなった。また、sLe^xやsLe^aなどの癌関連抗原糖鎖についても他のシアリダーゼと比べて明らかに水解しやすいことがわかった。これらの糖鎖抗原が多く検出されるヒト大腸がん組織では非がん部粘膜と比較して有意にそのmRNAレベルが低下していた。しかも大腸粘膜は、比較的Neu4に富み、粘膜の維持に関わっている可能性が示唆された。大腸癌細胞にNeu4を過剰発現すると、アポトーシスの促進、浸潤、運動性、接着性が低下する傾向にあることが明らかになった。今後さらに、がんにおけるNeu4異常の意義を検索し、分子レベルの解析を進め、これらの癌関連抗原が蓄積する癌の病態解明を目指す。
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Research Products
(7 results)