2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトヘルペスウイルスにおけるウイルス粒子の成熟および発芽過程の機構解明
Project/Area Number |
17390134
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Research Institution | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
Principal Investigator |
森 康子 独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤研究部感染制御プロジェクト, チーフプロジェクトリーダー (50343257)
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Keywords | ウイルス / ウイルス粒子 / ヘルペスウイルス / HHV-6 / HHV-7 / 糖タンパク質 |
Research Abstract |
ヒトヘルペスウイルスは、ウイルス特異的な宿主レセプターを認識することによってウイルス特異的な細胞に侵入し、その後宿主因子の働きを利用し、ウイルス増殖を行い、子孫粒子を形成していく。即ち、ウイルス粒子の成熟、発芽を行う。本研究では、ウイルス粒子の形成に関わるウイルス側および宿主側因子の同定を行い、その機能を解析することを目的とする。 本年度の成果を以下に記す。 1.ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)がコードするU14遺伝子産物は、ウイルス感染細胞の中で、感染後期に出現し、ウイルス粒子構成成分のひとつであった。その局在は感染後期にはウイルスエンベロープ糖タンパクと一致した。さらに、ウイルス感染細胞中で宿主因子P53と相互作用し、P53は、ウイルス粒子に取り込まれていた。U14遺伝子がウイルス粒子に存在することより、ウイルス粒子形成過程に何らかの役割を果たしている可能性が考えられた。また、ウイルス粒子内に取り込まれたP53がウイルス感染に果たす役割は現在のところ不明であるが興味深いところである。 2.ヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)がコードするU47は、同じくβヘルペスウイルスに属するHHV-6,CMVがコードするg0遺伝子のpositional homologである。本研究により、HHV-7 U47は、ウイルス感染後期に出現する糖タンパク質であり、ウイルス粒子中即ちエンベロープに存在していることが判明した。また、ウイルス感染細胞においてウイルスエンベロープを構成するgHとその局在を共にし、相互作用していることが判明した。HHV-7g0はエンベロープに存在し、gHと結合していることから、ウイルスの成熟あるいは侵入過程に何らかの役割を果たしている可能性が考えられた。
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Research Products
(3 results)