2006 Fiscal Year Annual Research Report
HIV感染抵抗性に関与するヒト第22染色体遺伝子の発現調節機構
Project/Area Number |
17390137
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
宮澤 正顯 近畿大学, 医学部, 教授 (60167757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 佐智代 近畿大学, 医学部, 講師 (60297629)
金成 安慶 近畿大学, 医学部, 助手 (60351590)
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Keywords | ヒト免疫不全症ウイルス / HIV曝露非感染者 / ウイルス中和抗体 / 感染抵抗性 / APOBEC3 / 第22染色体 / 遺伝子発現調節 / ゲノム多型 |
Research Abstract |
我々は、マウスレトロウイルス感染時に中和抗体産生の有無を制御する宿主遺伝子Rfv3をMHC領域外の第15染色体にマッピングし、これと相同なヒト22染色体領域の遺伝子が、HIV-1曝露非感染者における効率的なT細胞感作と粘液抗HIV抗体産生に関与する可能性を示した。マウスゲノムでもヒトゲノムでも、これらレトロウイルス感染抵抗性遺伝子マップ領域には、ウイルスゲノム逆転写産物の塩基置換を誘導するシチジン脱アミノ化酵素、APOBEC群が存在する。特にヒトのAPOBEC3群酵素は、HIV複製時に粒子内に取り込まれ、逆転写後のウイルスDNAに変異を加えることにより、感染性粒子の複製を抑制する作用が知られている。 そこで、HIV-1曝露非感染状態の成立にヒトAPOBEC3が関与する可能性を考え、HIV-1曝露非感染者及びHIV感染者の末梢血と子宮頸部粘膜における、APOBEC3群mRNA及びタンパク質の発現を解析した。曝露非感染者では、健常人に比較して末梢血単核球でのAPOBEC3G発現が構成的に高く、インターフェロン(IFN)-α刺激時にはさらに有意な発現上昇が見られた。末梢血中でAPOBEC3G発現が高い細胞はCD14陽性単球で、CD14陽性細胞では、IFN-α刺激によるAPOBEC3G発現誘導の程度が、曝露非感染者でのみ健常人やHIV感染者に較べ有意に高かった。 一方、曝露非感染者とHIV感染者の第22染色体領域遺伝子発現の網羅的比較と、単一塩基置換の遺伝子型頻度の比較から、APOBEC遺伝子群の存在領域より僅かにセントロメア寄りの二つの遺伝子に、曝露非感染者でのみHIV抗原刺激後の発現上昇を認め、これら二つの遺伝子の間に挟まれた発現調節領域と考えられる部分に、ゲノム塩基置換の存在を見出した。モデル系を用いた実験で、塩基置換部位は遺伝子発現調節に関係していた。
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Research Products
(5 results)