2005 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫系による炎症性疾患、感染症の制御機構の解析
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17390144
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹田 潔 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (20309446)
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Keywords | 自然免疫 / Toll-like receptor / 結核 / MyD88 / TRIF |
Research Abstract |
自然免疫系の細胞では、Toll-like receptor(TLR)の各ファミリーメンバーが、病原体構成成分をそれぞれ特異的に認識し、活性化されることが明らかになった。また、そのシグナル伝達では、MyD88,TRIFのTIRドメインを有するアダプター群が極めて重要な役割を担っている事が明らかになった。そこで、TLRを介した自然免疫系の活性化が消失するTRIF/MyD88二重欠損マウスを用いて、結核感染における自然免疫系の関与について検討した。正常マウス、MyD88欠損マウス、TRIF欠損マウスではBCG感染による肺病変は観察されないが、MyD88/TRIF二重欠損マウスの肺では、BCG菌数の増加を伴う多数の壊死性病変が観察され、約半数が死亡した。また結核菌MtbH37Ra株の経気道的感染でも、TRIF/MyD88二重欠損マウスは感受性が高かった。この結果は、TLRを介した自然免疫系の活性化が結核感染防御にも生体レベルで重要な役割を担っていることを示している。結核感染においては、Th1応答が感染防御に重要な役割を担っている。MyD88欠損マウスでは、BCG感染後のTh1応答が正常と比べて3分の1程度に低下するが、TRIF/MyD88二重欠損マウスでもTh1応答の障害は同程度しか認められなかった。この結果は、TLRを介した自然免疫シグナル以外にもTh1誘導機構が存在し、さらに自然免疫系がTh1誘導以外の分子機構により結核感染を制御していることを示唆している。
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Research Products
(6 results)