2007 Fiscal Year Annual Research Report
免疫細胞ホーミング特異性を制御する新規因子の探索と同定
Project/Area Number |
17390147
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
岩田 誠 Tokushima Bunri University, 香川薬学部, 教授 (50160122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宋 時栄 徳島文理大学, 神経科学研究所, 教授 (00399693)
大岡 嘉治 徳島文理大学, 香川薬学部, 准教授 (60303971)
竹内 一 徳島文理大学, 香川薬学部, 助教 (00421298)
横田 彩 徳島文理大学, 香川薬学部, 助教 (30446075)
横山 峯介 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40090930)
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Keywords | 樹状細胞 / リンパ球 / ビタミンA / レチノイン酸 / ビタミンD / ホーミング / 腸管免疫 / 皮膚 |
Research Abstract |
目的と研究経過:腸樹状細胞の一部はレチノイン酸(RA)生成能を持ち,抗原提示の際にRAを与えることによってリンパ球に小腸指向性を与えることを我々は発見した。本研究では,異なるホーミング組織特異性を与える因子,またはRA作用を攪乱する要因を探索し,その作用機序を解析する。そして,リンパ球ホーミング制御を通じて疾患治療、予防または創薬への新たな基盤を構築することを目的とする。昨年度までに、活性型ビタミンDである1α,25-dihydroxyvitamin D3(VitD3)が,T細胞で一部の皮膚特異的ホーミング受容体発現を促進し,RAによる小腸特異的ホーミング受容体CCR9とインテグリンα4β7の発現誘導を抑制することをin vivo移入実験により実証した。昨年度末,Butcherのグループが、ヒトT細胞ではVitD3がCCR10発現を促進して皮膚へのホーミングを指令することを提唱したが,異論も出された。結果:T細胞においてVitD3は,RAによるCCR9とα4の発現誘導をmRNAレベルで抑制した。他の既知の核内受容体リガンドは,種々のホーミング受容体発現に顕著な影響を与えなかったが,グルココルチコイドはそれらの一部を抑制した。環境化学物質の一部がRA活性を促進し,ホーミング攪乱原因となる可能性が示唆された。腸のRA合成酵素retinal dehydrogenase(RALDH)発現樹状細胞群を同定し,RALDH発現の主な誘導因子としてサイトカインGM-CSFを同定した。RA自体はその誘導を補佐した。そして,腸の免疫反応に伴って誘導されるサイトカインの一部,および共生細菌による刺激もRALDH発現誘導に関与し得ると考えられた(投稿中)。尚,腸管免疫に重要なIgA抗体産生には,RALD発現樹状細胞が必要だが,さらにTNF-α/inducible NO syntyase生成能も必須だった。
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Research Products
(5 results)