2005 Fiscal Year Annual Research Report
医療安全向上のための戦略ツールとしての電子医療記録
Project/Area Number |
17390154
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石川 澄 広島大学, 病院, 教授 (30168190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津久間 秀彦 広島大学, 病院・助教授 (10222134)
岩田 則和 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 講師 (00346537)
田中 武志 広島大学, 病院・助手 (40325197)
三宅 裕子 広島国際大学, 医療福祉学部, 教授 (20352049)
小西 央郎 広島大学, 病院・助手 (70325190)
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Keywords | 医療情報学 / 電子医療記録 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
電子医療記録を「医療のプロセスを追跡して評価できる」、「患者に示し得る(開示に堪える)」安全向上の基本媒体とするため,研究会議を組織して実態調査に基づくワークショップ形式で検討した。 (1)一次利用が適切になされるために:★個人情報保護法の構成と関連法規を分析、診療看護のプロセスと情報の発生形態と対比して、医療記録のサブセットを10類型に分け、相互の要素の関係性を考慮した構造モデル化した(石川・三宅・津久間)。★チーム医療が安全になされるために、目標設定(期待される成果)、初期計画とケアプロセス中の変更発生理由と再計画、意思確認、医療チーム間の指示・実施確認、および署名すべきポイントをサブセット毎に整理、特に平準的な用語使用、発生するエピソード、担当者の受け止め、行為、成果評価の過程が確認覧できる時系列記載形式を「医療記録記載指針(Ver.06)」にまとめ公表した(石川・三宅)。★現行診療看護支援システム、平成15年度に稼動させた注射の指示管理システムを事例に評価した。バーコード認識システムを対象として、患者、最新指示、および施用者の「3点確認」の実施率は98%であり、他施設の報告(60%程度)に比して極めて高率での安全確認の有用性が確認された。この背景には、プロセスの定式化したことが最大要因であること、同時に患者自身も確認作業に参画するので自らが受ける医療を認識する意義が示唆された(石川・津久間・小西)。 (2)二次利用が適切に利用されるために:★個人情報保護と活用のバランスを主題に、認証要件および、プロトタイピングした医療情報検索システムを用いて、プライバシーの度合い(センシティビティ)に応じた集積、検索条件、アクセシビリティの設定と可用性の評価が進行中で、成果を国際医療情報学連合の特別会議(本年4月27〜29日開催)に諮問する予定である(石川・岩田・田中・律久間)。
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Research Products
(19 results)