2006 Fiscal Year Annual Research Report
医療安全向上のための戦略ツールとしての電子医療記録
Project/Area Number |
17390154
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石川 澄 広島大学, 病院, 教授 (30168190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津久間 秀彦 広島大学, 病院・助教授 (10222134)
岩田 則和 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 講師 (00346537)
田中 武志 広島大学, 病院・助手 (40325197)
小西 央郎 広島大学, 病院・助手 (70325190)
岩崎 泰昌 広島大学, 病院・講師 (50232666)
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Keywords | 医療情報学 / 電子医療記録 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
2005年度に行った医療記録の構造要件(医療記録記載指針Ver.06)に基づいて、医療安全の観点から現状の電子化医療記録モデルの問題点と課題を整理した。関連国際会議(医療情報学国際連合医療情報の安全性に関する研究会議2006年4月27-29日、Dijon、医療情報学アジア太平洋会議同年10月27-29日、台北)における国際的評価を踏まえ、2007年3月21日に公募外部専門家(54名)参加による研究会議において以下に集約される結論を得た。 ■情報の一次利用に関する検討:★患者の尊厳を考慮した医療プロセスの安全性担保のために、患者認証のリストバンドの装着、医療者のIDバーコード、および使用薬品コードによる医行為の事前、進行中、および事後確認とその記録の有効性について評価検討を行い(石川、岩田)、モデルシステムにおける改良点の整理を行った。★同モデルによる安全確認操作の実効性について、関係施設の実態の調査を行い(施行前に比し、インシデントの全体量は減少したが、ICTによる新たな問題点が発生することが判明(石川、津久間、小西)、医療過程、情報表示の大要統一、およびコンプライアンスの徹底教育の推進が不可欠である。 ■情報の二次利用に関する検討:がん登録システムを事例に患者の個人情報のデータ構造と流通方式についてワーキンググループにおいて検討した(岩田、池内、岩沢、石川)。特にがん登録時の匿名化と分析過程における源データ追跡とデータ真正性担保のため、第三者的管理体制が不可欠である。 ■地域連携型EHRの要件の検討:広域災害救急におけるトリアジ段階から病院収容にいたる過程でのデータセットを(現況の救急隊、医療現場に対するヒヤリング)、個人情報のセンシティビティに基づく多次元の階層化による情報検索の技術的、運用的制約に基づく医療情報管理専門職の育成が課題である(田中、岩崎、石川)。
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Research Products
(13 results)