2005 Fiscal Year Annual Research Report
免疫調節因子の遺伝子多型による自己免疫疾患の予後検査診断法の開発
Project/Area Number |
17390164
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩谷 良則 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60168581)
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Keywords | 自己免疫疾患 / 予後 / 重症度 / 遺伝子検査 / 一塩基多型 / 甲状腺 / サイトカイン / インターフェロンγ |
Research Abstract |
【目的】橋本病には、甲状腺組織破壊が強くて甲状腺機能低下症を発症するもの(重症群)としないもの(軽症群)があり、バセドウ病には、抗甲状腺剤により寛解導入するもの(寛解群)としないもの(難治群)がある。以前、我々はCD8細胞傷害性T細胞のCD25陽性比率(CD8細胞の活性化率)が橋本病の重症群において高値を示すことを明らかにしたが、今回、CD8細胞の活性化を規定するIFN-γに注目し、その産生量が異なるIFN-γ遺伝子+874A/T一塩基多型(SNP)と橋本病の重症度との関連を調べた。 【方法】ARMS-PCR法を用いて、病態分類した橋本病患者、バセドウ病患者、および健常人のSNPタイピングを行った。 【結果】IFN-γ遺伝子+874A/T SNPは、Tアレル頻度が、橋本病重症群で軽症群に比し有意に高かった。このTアレルの頻度の差は、抗サイログロブリン抗体(TgAb)陰性の橋本病においてより著明であったが、TgAb陽性橋本病では有意差は認められなかった。バセドウ病では、差はなかった。 【考察】IFN-γ遺伝子+874A/T SNPと橋本病の重症度との関連が示唆された。このSNPがTアレルのとき、IFN-γの産生量が多くなることが報告されている。従って、今回の結果は、橋本病重症群ではIFN-γ産生量が多いことが推測され、CD8細胞傷害性T細胞の活性化率が高いという以前の報告とも一致する。今回、IFN-γ遺伝子+874A/T SNPが橋本病の重症度の予後予測に応用できる可能性を明らかにした。
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Research Products
(2 results)