2006 Fiscal Year Annual Research Report
免疫調節因子の遺伝子多型による自己免疫疾患の予後検査診断法の開発
Project/Area Number |
17390164
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩谷 良則 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60168581)
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Keywords | 遺伝子多型 / 一塩基多型 / 自己免疫疾患 / 甲状腺 / 予後診断 / サイトカインバランス / インターロイキン2 / インターロイキン10 |
Research Abstract |
代表的臓器特異的自己免疫疾患である自己免疫性甲状腺疾患には、免疫学的機序による甲状腺組織破壊により甲状腺機能低下症を発症する橋本病と、甲状腺のTSH受容体に対する自己抗体が出現することにより甲状腺機能亢進症を発症するバセドウ病が存在する。しかし、甲状腺自己抗体陽性の潜在性の橋本病が一般人口の10人に1人いるにもかかわらず、実際に甲状腺機能低下症を発症する橋本病は約1割にすぎず、またバセドウ病も抗甲状腺剤治療で約3分の1しか寛解導入できない。しかし予後予測ができないため、延々と経過観察や治療を継続している。そこで効率の良い医療が実施できるよう、免疫応答の強弱を規定するサイトカインの遺伝子多型に着目し、確実な予後予測検査診断法の開発を試みた。 細胞性免疫を誘導するTh1系と体液性免疫を誘導するTh2系のサイトカインに着目して両者の産生量に影響のある遺伝子多型を解析し、代表的自己免疫疾患である橋本病及びバセドウ病の重症度・難治度との関連を調べた。 Th1系サイトカインとして、インターロイキン2(IL-2)-330T/G SNP(GG genotypeでIL-2産生量が多い)を、そしてTh2系のサイトカインとして、IL-10-1082A/G SNP(GアリルでIL-10産生量が多い)を検索した。その結果、健常人のIL-2-330T/G SNPのgenotypeが、GG11.7%、GT30.0%、TT58.3%に対して、橋本病の重症群では、20.0%、43.3%、36.7%とGアリルが多い傾向が認められた。一方、IL-10-1082A/G SNPでは、健常人に比し、橋本病ではGアリルが少なく、バセドウ病では多い傾向が認められた。 従って、免疫調節因子であるサイトカインの遺伝子多型を調べることにより、自己免疫疾患の予後検査診断ができる可能性が示された。
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Research Products
(5 results)