2005 Fiscal Year Annual Research Report
老化を促進する酸化損傷タンパク質の機能プロテオミクス解析と病的老化予防法の開発
Project/Area Number |
17390170
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
及川 伸二 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10277006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 信介 三重大学, 医学部附属病院, 助教授 (20198625)
村田 真理子 三重大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10171141)
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Keywords | 高齢化 / 酸化ストレス / 活性酸素種 / 酸化損傷タンパク質 / 老化 / 機能プロテオミクス解析 / 老化のバイオマーカー / 老化促進モデルマウス |
Research Abstract |
日本人の平均寿命は、世界の中でトップクラスとなるに至った。しかしその一方で、急速な高齢化が進み老年疾患の罹患率が上昇している。その原因の一つとして酸化ストレスが注目され、活性酸素種により酸化損傷されたタンパク質の増加・蓄積が老化促進につながると考えられている。しかし、老化に伴って蓄積する酸化損傷タンパク質の種類や機能はほとんど解明されていない。本研究では、プロテオミクス解析を応用した機能プロテオミクス解析法により、個々のタンパク質の酸化やリン酸化、ニトロ化などを解析し、老化促進の原因タンパク質の特定を目指す。本年度は、老化促進モデルマウス(SAM)系で脳機能障害を示すSAMP8を用いて、老年期脳機能障害に関与する酸化損傷タンパク質を機能プロテオミクス解析により明らかにする。 30週齢のSAMP8とSAMR1の海馬からタンパク質を抽出後、蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動(2D-DIGE)法を本学部で実用化し、発現プロテオミクス解析を行った。その結果、約900個のタンパク質のスポットを検出した。各群3回の実験により統計計算を行った結果、2つのスポット(分子量:約55000、pI:5.6および分子量:約90000、pI:6.4)がSAMR1に比べてSAMP8で発現が有意に増加していた。一方、SAMR1に比べてSAMP8で発現が有意に減少したスポットは3つ(分子量:約55000、pI:5.5;分子量:約90000、pI:6.2および分子量:約90000、pI:6.3)であった。また、カルボニル化タンパク質について個々のタンパクスポットを解析した結果、約70個のカルボニル化タンパク質を検出し、SAMR1に比べてSAMP8で2倍以上の差があるスポットが12個あった。これらは酸化ストレスによる老化促進の原因タンパク質や老化のバイオマーカーとなる可能性があるためさらなる研究を行っている。
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Research Products
(12 results)