2006 Fiscal Year Annual Research Report
精神的ストレスが僧帽筋中のヘモグロビン動態に与える影響
Project/Area Number |
17390172
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
垰田 和史 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (90236175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 照代 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (20293821)
辻村 裕次 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (40311724)
西山 勝夫 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60077691)
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Keywords | 頸肩腕障害 / 筋中ヘモグロビン / Near infrared spectroscopy |
Research Abstract |
平成18年度は追加実験を踏まえて結果の解析および論文の作成を行った。 1精神的ストレスが僧帽筋中のヘモグロビン動態に与える影響(産業衛生学雑誌投稿中) 1)方法:被験者は、20歳から40歳未満の健常女性20人。自覚症状および身体機能検査、頸肩腕障害に関する検診を行った後に、室温を23度にコントロールした環境実験室内で、椅座位による安静、立位による1分間の両上肢水平挙上、立位による1分間の両上肢水平挙上とカラーワードテストを、各3回行わせ、この間の右僧帽筋中部で筋中ヘモグロビンおよび表面筋電位を測定した。筋中ヘモグロビン濃度の測定にはNear infrared spectroscopyを用いた。 2)結果:上肢挙上時の僧帽筋中ヘモグロビンは、精神的ストレスの負荷により酸素化ヘモグロビン(Oxy-Hb)濃度は変化しないものの、脱酸素化ヘモグロビン(Dox-Hb)濃度は減少した(p<0.05)。 2頸肩腕障害症状の有無と僧帽筋中のヘモグロビン動態(Eur J Appl Physiol投稿中) 1)方法:被検者は、頸肩腕障害で治療中の女性患者14人、上肢作業従事者18人、対照者14人。自覚症状および身体機能検査、頸肩腕障害に関する検診を行った後に、立位による1分間の両上肢水平挙上を10分間の安静休憩を挟んで2回行わせ、この間の右僧帽筋中部で筋中ヘモグロビンおよび表面筋電位を測定した。 2)結果:上肢挙上時の僧帽筋中のOxy-Hb濃度は変化しないものの、Dox-Hb濃度は、肩の痛みの自覚症状がある群は無い群に比べて、僧帽筋の触診所見で圧痛の伴う硬結や硬結の認められた群は正常所見群に比べて、有意(pく0.05)に減少した。 3研究総括 上肢挙上時の僧帽筋中のDox-Hb濃度は、精神的ストレスの負荷により減少した。このDox-Hb濃度の変化は、頸肩腕障害に関連する肩の痛みの自覚症状や筋触診所見とも一致して認められた。Dox-Hb濃度の変化は筋組織における酸素消費状況を反映すると考えられることから、頸肩腕障害の発生に筋組織での酸素代謝が関与しているのではないか推定された。
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