2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390191
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
三野 善央 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (80181965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 研二 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (70144491)
馬場園 明 九州大学, 大学院医学研究科, 教授 (90228685)
下寺 信次 高知大学, 医学部, 講師 (20315005)
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Keywords | 医療経済学 / コスト / 統合失調症 / うつ病 / コスト分析 / 費用-効果分析 |
Research Abstract |
わが国における医療費は高騰を続け,より効率的な配分が求められている.精神疾患に対する医療費も同様な対策が必要である.これまでに精神疾患に対する医療コストが分析されていなかったことから,政府統計資料をもとに疾病別の意表費,入院費,薬剤費などのコストを算出し,その経年変化を検討した.精神と行動の異常のための医療費は徐々に増加し,2003年には2兆1千億円を超えた.この医療費のうちめ約半額が統合失調症のためのものであった.種目別には入院費が最も高く,1兆4千億円となっており,そのうち8千億円が統合失調症のためのものとなっていた.昨年度の医療コスト分析をさらに長期間にわたって分析した. 統合失調症の家族心理教育の効果を医療経済学的に評価した.研究対象は再発リスクの大きい高EE (expressed emotion)の家族と共に生活する統合失調症患者とした.心理教育群は家族が心理教育および集中的家族セッションを受けた者および心理教育とその後のサポートを受けた者,合計30名とし,比較対照群としては過去の著者らのコホート研究での高EE群を選んだ.これらの資料を基に家族心理教育の費用-効果分析を行った.1再発予防のためのコストを簡便な心理教育群と集中的心理教育群との間で比較した.その結果,簡便な心理教育群の方が費用-効果的となっていた. うつ病における家族心理教育の効果を医療経済学的に検討した.家族心理教育の再発予防効果は明らかであったが,これまでの対象者の中では,医療コストの低減効果は明確とはならなかった.これについてはさらに対象者を増やし,研究を継続している.
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Research Products
(7 results)