2006 Fiscal Year Annual Research Report
非コード領域DNAマーカーにおける日本近隣ヒト集団の分子遺伝学的異質性の研究
Project/Area Number |
17390200
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 敏充 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (50260592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
打樋 利英子 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助手 (20223571)
玉木 敬二 京都大学, 大学院医学研究科, 教授 (90217175)
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Keywords | 集団遺伝学 / 非コード領域 / 日本人 / STR / 遺伝的異質性 / 遺伝的系統関係 / 遺伝子プール |
Research Abstract |
本年度には、さらに日本人における精度を上げるため、長崎よりインフォームド・コンセントをとり採取した各32名のDNAを用いて、我々が今まで行ってきた常染色体上の105ローカスの型判定を行った。これらについて、他の12ヒト集団(日本人;秋田・名古屋・大分・沖縄、中国人;北京・陝西・湖南・福建・広東、タイ人;バンコク、ミャンマー人;ヤンゴン、イギリス人)とあわせて、集団遺伝学的に解析した。その結果、やはり、長崎を含めても日本人五地域集団は、大陸のヒト集団とは明らかに要素を異にする集団であることが示された。さらに、興味深い結果として、長崎の集団には、他の日本人四地域集団に比べ大陸的要素が多く含まれていることが示された。この結果は、日本の歴史的に見ても非常に合致しており、このように遺伝的に具体的に示された研究は初めてであろう。この研究成果の一部は、第60回日本人類学会大会のシンポジウムにおいて、「マイクロサテライト多型から見た日本人における地域差」というタイトルで、日本人においては沖縄で多少地域差が見られるものの、区別できるほどの地域差は見られないが、日本人と中国人との間では105 STRマーカーにより区別可能であるほどの異質性が見られることを、その結論として発表した。さらに、本年度は、モンゴル人の二地域集団(西部:オラーゴン、南部ゴビ砂漠内:ダランザドガド)より採取した各32名のDNAを用いて、同様に、105ローカスの型判定を行い、個人のgenotypeの三次元的ドット解析、各集団の系統遺伝学的及び遺伝構造学的解析を、これまでに解析してきた13集団とあわせて行った。その結果、モンゴル人の二地域集団とも、その他の地域集団とほぼ地理的に矛盾せず、また遺伝的構成要素からも独自の要素を持ち合わせている、という結果が得られた。
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Research Products
(3 results)