2005 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生抑制シグナルを指標にした新規腫瘍休眠療法薬の同定
Project/Area Number |
17390207
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
七里 眞義 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教授 (10206097)
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Keywords | バイオインフォマティクス / 血管新生 / 血管新生抑制シグナル / リアルタイムRT-PCR / 初期応答遺伝子 / 血管新生関連遺伝子 |
Research Abstract |
エンドスタチンやアンジオスタチンなどの血管新生抑制因子は最も有用な腫瘍休眠療法薬と位置づけられ、実験動物の固形腫瘍を著明に退縮させ、従来の抗癌剤のような薬剤耐性を示さないため注目を集めたがそのメカニズムは長く不明であった。研究代表者らはエンドスタチンにより血管新生抑制に関わる分子機構を発見し、その強力かつ広範な細胞内応答を「血管新生抑制シグナル」と命名したが、高感度real-time定量的PCR法にて類似のシグナルを示す物質を選択することにより、血管新生抑制作用を有する物質を効率的に見いだす方法を考案した。今回、医薬品、化合物、合成ペプチドを含む多数の物質を探索すると同時に、従来の研究で得られた新規腫瘍休眠療法候補薬剤の抗腫瘍効果、転移抑制効果についても比較検討している。すでに培養毛細血管内皮細胞において「血管新生抑制シグナル」を惹起する物質については多数見出すに至っているが、これらの中から血管内皮細胞において強力な遊走阻止作用、増殖抑制作用を示すものについては、ヒト癌細胞を用いて作成したマウスxenograftモデルにおいて腫瘍増殖抑制作用を有する物質がないかどうか、順次探索を行う予定である。現時点で最も強力な因子については、ヒトへの投与時の各組織への移行と組織中濃度と、その作用、副作用の可能性を含めて検討を継続しており、さらに血管新生阻害作用以外の抗腫瘍作用メカニズムがないかどうかも検索し、臨床応用可能な薬剤の発見をめざしている。
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Research Products
(5 results)